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工務店としての日々の仕事の中から、「これは家を建てる前に是非知っておいて欲しい」という
基本的な家づくりの知識や、家づくりや暮らしについてのちょっとしたヒント、
マルトからのお知らせなども記事にしています。
気になる単語でも検索できます。例:「資金計画」「土地」「間取り」など

家を建てる前に読みたいお話
2024.10.27

LED電球の明るさ(ワット数)、デザイン、どう選ぶ?

LED照明についてちょっと説明します すっかり世の中に定着したLED照明ですが、ちょっと特徴のおさらいをしておきます。 ●寿命が長い (定格寿命40000時間の物の場合、1日10時間点灯でおよそ10年間使用できます) ●紫外線や赤外線をほとんど含まない。よって紫外線による色の退色などがない。お洋服の変色などが軽減されます。(でも自然光でも変色するのでWICの窓にはご注意!) ●他にも少ない消費電力、即時MAX点灯、水銀や鉛などの環境汚染につながる物質を含まないなどがあります。 家計にも環境にも優しいのがLED照明と言えるでしょう。 LED照明で出来ること センサー付き照明の種類が増えた LED以前はセンサーでパッと点いたり消えたり、あるいはぼんやり点いて人を感知すると明るくなる、という照明は白熱電球でないとできませんでした。 廊下やトイレの照明を人感センサーで入り切り出来ると、いちいちスイッチを触らなくてもいいのは便利ですし、切り忘れが無くなります。 調光出来るようになった LEDになりリモコンや壁付けコントローラーで簡単に、明るく⇔暗く⇔消灯、出来るようになりました。 Bluetooth対応の器具ならリモコン1台で複数の器具を調光調色出来ます。(オーデリック照明) 日本人は煌々と明るい光に慣れすぎているきらいがあり、リラックスしたい夜などは少し暗めの照明にするなどのシーンに合わせた使い方をしたいものです。 調色出来るようになった 光の色には大きく分けて昼白色と呼ばれる昼間の太陽光の光と、電球色と呼ばれるホテルやおしゃれなレストランの照明のようなオレンジ色の光があります。 ダイニングテーブルの上のペンダント照明を調色対応器具にすると、一日の始まる朝ご飯や子供が宿題をするときには昼白色にし、家族で囲む夕飯時は電球色にするなどシーンに応じた使い分けができます。 Bluetooth対応の器具ならリモコン1台で複数の器具を調光調色出来ます。(オーデリック照明) こちらも先の調光と同じで、オフィスや病院の照明のような昼白色の光色に慣れている方が多いように思います。是非、シーンによる光の色の使い分けをおススメしたいと思います。 LED電球選び方。明るさ、ワット数はどう選ぶ? 表:denkyuya.jp様よりお借りしました さて、ここまでLEDの特徴などを書いてきましたが、ここではLED照明、LED電球の明るさの選び方について書いてみたいと思います。 LEDの基準になる明るさの単位は「lm」、「lumen」の略で「ルーメン」と呼びます。LED以前では消費電力の単位「W数」「ワット数」で明るさも判断していましたが、LEDでは光源から放たれる光の量を表すルーメンを明るさの単位としています。 新築などでトイレなどに新しく照明器具を設置されるのであれば、400ルーメンあれば十分かと思います。 煌々と明るい訳でもなく、暗くもない程度かと思います。 電球取り換えの場合、上の表は一般白熱電球からの取り換えの参考として見ることができます。 例えばトイレの60Wの白熱電球(15Wの蛍光灯電球)を同じくらいの明るさのLED電球に変えるなら、810ルーメン以上のLED電球を選びます。(普通サイズのトイレ空間だとかなり明るそう・・・) 蛍光灯電球の場合10Wでしたら白熱電球40Wと同等程度の明るさですから、485ルーメン以上のLED電球を選びます。 選ぶ際には電球の光の色も注意して選んでください。電球色か昼白色、あるいは調光調色タイプがあります。(後で紹介します) ややこしいのは、LED電球とLED一体型照明器具(電球を使わず器具と光源がひとつになっている)とは基準になる明るさ「ルーメン」が違うことなのです。 LED照明の明るさ(ワット数)はどうする? 下の表をご覧ください。実はLED一体型器具のタイプと定格光束値によって畳数表示の基準が変わります。(すべてオーデリック様よりお借りしました) まずは「LED一体器具」または「全般配光型LED電球器具」の場合 1畳あたり400ルーメン~が基準となります。(1室1灯シーリング) 次は「準全般配光型LED電球使用器具」の場合 こちらですと1畳あたり340ルーメン~が基準となります。(1室1灯シーリング) ご覧頂くとわかるかと思いますが、同じ8畳でも器具タイプが違うと必要なルーメン数が違うのです。 天井の真ん中につけるシーリングなどでしたら照明器具メーカーのカタログに「〇畳」と書かれているので、そちらを参考にしてもいいでしょう。(明るすぎる懸念はありますが) 表示のない器具の場合は新築やリフォームであれば依頼先に相談するのが一番かもしれません。 あくまで乱暴な目安ですが、1畳=400ルーメンで計算も出来ます。(器具のデザインなどにより明るさには大きな差が出ます) 実際のLED照明を検証して見る リビングの一角、和室の照明計画 ブラケットのみ点灯 ブラケット+ダウンライトも点灯 4.5畳の和室です。右側の暗く写っているところはダイニングキッチンです。 (このダイニングの照明を点灯させなかったのは大失敗 泣 陰気臭く見える~) 上の写真のブラケット(壁付け照明)のみの場合でも、割と部屋の角に配灯しているので、壁2面、天井が明るく感じるので、そこまで暗く感じることはないように思いますが、 この状態に床置きのフロアライトがあれば部屋としては十分だと思います 下の写真はどうですか? ダウンライトが壁と床を照らしているので明るくなりました 部屋全体を明るくしたい場合にはこちらのやり方がおススメですね 4.5畳の部屋で使用している器具がLED一体型ですから、先ほどの表では2700ルーメン必要とされていますが、こちらではダウンライトとブラケットで合計1205ルーメンになります。 推奨の数字よりも半分以下になりました。 確かにこの状態で座卓で新聞を読もうとすると暗く感じるかもしれません。 その場合には部屋全体の明るさを明るくするのではなく、手元を照らすテーブルランプをおススメします。 この部屋の配灯の考え方 このスペースはリビングの一部(寛ぐ空間)と考え、特に明るくする考えはありませんでした。 そのため天井のダウンライト無しで、壁付け照明とフロアライト(写真にはない)で良かったのですが、もう少し明るくしてほしいという要望で、天井のダウンライトを追加しました。 今後このスペースでお子様が宿題などをされるようであれば、デスクライトを使って頂きたいと思います ダイニングキッチンの照明計画 和室:ブラケットのみ点灯 ダイニング:ペンダントのみ点灯  和室・ダイニング ダウンライトも全て点灯 和室横のダイニングキッチン(およそ6畳)を見てみましょう。 上の写真は和室はブラケットのみ、DKはペンダントのみ点灯しています。 下の写真は上記に加えて、和室・ダイニング共にダウンライトも点灯しています。 全体に明るくなりましたが、食事時などには明るすぎるかもしれません。 食事時にはダウンライトが消えていても、 隣の和室のブラケットが点いていればその方が空間にメリハリと奥行きが出て良くなると思います。 実はこのペンダントにはリモコンで調色調光出来る電球を採用しています。曇り空の朝食時や子供たちが宿題をするときなどは、昼白色にして使っていただけます。 こちらはキッチンということもあり和室よりは明るく計画していますが、それでも先程の表では3200ルーメン必要とされるところ、2200ルーメンしかありません。 この部屋の配灯の考え方 LEDの時代になってお伝えしたいこと 長く一般的な日本の住宅は1室1灯、大きなシーリングライトで部屋の隅々まで照らすのが普通でした。 ダウンライトを使っても、やはり部屋の隅々まで照らすような配灯が今でも一般的だと思います。(私もついついやりがちです・・・) 例えば上の和室やDKの天井にシーリングライトをつければとても明るくはなりますが、くつろぐ灯りにはなりませんね。 なかなかお伝えしにくいのですが、上記の実例でDKのペンダントライトだけで過ごすとき、隣の和室でが真っ暗だと陰気臭く、より暗く感じます。 ところが和室のブラケットが点くと、さほど明るい照明ではなくてもそこに視線は誘導され、明るさを感じます。陰気臭いのが落ち着く感じになり、暗く感じたのが明るく感じます。 これがメリハリのある照明で、陰影を楽しむということだと思います。 冒頭にお伝えしたようにLEDの時代になって調光や調色がとても簡単に、しかも最近ではかなりリーズナブルになりました。 決して暗さを推奨しているのではなく、LED照明になったおかげで明るくも暗くも自在になったことを楽しむ暮らしをおススメしたいと思っています。 必要な場所に必要な時、必要な明るさがあれば、あとは遊び心で陰翳を楽しめたらいいですね。 必要な明るさは年齢とともに変化する 一つ忘れてはいけないのは、必要な明るさというものは年齢とともに変化するという事です。 20代の目と、40代の目さらには70代の目が必要としている明るさは倍ではすみません。 LED照明器具は寿命がとても長くなりました。 という事は今の自分基準にプラスアルファの明るさを加えたいという事です。 寛ぐ灯りは目が何かに集中することは少ないのでまだいいとしても、新聞を読む、手仕事をする、という時は明るくないととても目が疲れます。 スタンドを使うことを私も推奨してはいますが、計画段階でどこにスタンドを置くのかもシュミレーションしておきたいところです。 最近では充電式のデスクライトでデザインの良いものも出てきました。 スタンドを使う生活とともに、調光調色出来る器具を使って歳を重ねてからも目にやさしい暮らしがしたいものです。 ぜひ、照明器具を選ぶ際には暮らしに彩を添えるような照明計画にしたいですね。 吹き抜けリビングと寝室の、調光や調色の動画を載せました。動画撮影が初心者なものでイマイチな出来ですが、よろしければご覧になってください。 吹き抜けにつけたブラケットはこちら。 1階部分と2階部分に配置しました。434ルーメンとなっているのは昼白色の一番明るい場合です。 スポット型のブラケットはこちら。 画像は天井付けになっていますが、壁にもつけられます。 シーリング照明はリモコンで操作できるものがほとんどですが、ブラケットやダウンライトなどはまだまだリモコンではなく、壁付けコントローラーがほとんどです。 そんな中実はこれらの照明はブルートゥースリモコンで操作します。(お手持ちのスマホでも出来ます) そのため壁付けコントローラーは必要ありません。 毎日の暮らしの中で生活シーンに合わせて操作することを考えると、手元にリモコンの方が便利だと思いました。(シーンごとの操作を記憶させるライティングコントローラーなるものもあります。こちらについてはまた詳しく記事にします) スイッチにもリモコンになるものなどもあり、照明関連の便利なものをまた記事にしたいと思います。 家を建てることを計画中の方はこちらの記事もどうぞ 換気扇にもなるペンダント照明 クーキレイはどう? 後悔しないウオークインクローゼットの作り方
家を建てる前に読みたいお話
2020.11.10

乾太くんのデメリットはあるのか?2023年新情報追記!

乾太くん情報、追記 2023年4月 デラックスシリーズがフルモデルチェンジ 乾太くんのラインナップが変わります!2023年6月発売です! 2023年4月12日時点ではまだホームページにも出ていませんが、デラックスシリーズがデザインもラインナップも変わります まずデザインは今までのスタンダードタイプと似た感じ、ミーレの洗濯機の横においても良く似合うデザインになります(上記の画像参照) また、5キロしかなかった容量が6キロと9キロに増えます 本体の下にしかなかった操作パネルが、上部操作パネルタイプが増えたので、低い位置に置いた時の操作が楽に行えるようになります ドラム式洗濯機の横に置くようなレイアウトの際にとても使いやすくなります(上記の画像参照) ただし価格は上がるので、現行モデルで良い方は早めにお買い求めになった方が良いかもしれませんね 詳しくは発売元のリンナイのにニュースリリースをご覧ください EIDAIから乾太くん専用ユニットが発売 今回建材メーカーのEIDAIから、スライド棚のついた専用ユニットが発売されました 収納もついていてこれは便利です リンナイでは専用の棚があるにはあったのですが、いかにも簡便なものであまりよろしくなかった・・・ そのためマルトでは造作でいろいろと作ってきました M邸 モデルハウス もちろん造作で造った方が思い通りの物が作れますが、そこまでこだわりがないのであればとても良いものだと思います 詳しくはEIDAIのHPをどうぞ 乾太くん導入の経緯 設備機器を選定する際、妻の 「絶対入れて!」 の一言。 正直、入れる気全くありませんでした。(必要性がわからなかった) とはいえ、洗濯するのは主に妻やりたいように家造ってしまったのは私 小学生と保育園児のいる我が家では、洗濯物の量が半端ではありません。 体操服など明日もって行かないといけないものを今夜洗濯する、なんていう事態に備えたいと妻は言います。 という流れで乾太くんが我が家にやってきました 我が家の乾太くんの性能 メーカーはリンナイ。 フィルターが扉内側についてるお手入れ簡単の”デラックス”タイプで、乾燥容量は最大5キロです。 他にはスタンダードタイプで3キロ、5キロ、8キロとあり、(スタンダードタイプの写真は↑)デラックスは5キロのみになります。 大きな違いは糸くずフィルターがスタンダードでは奥にあり、デラックスでは前扉の内側にあります。 我が家ではこのお手入れのしやすさでデラックスにしました。 ただ、5キロなので大物の乾燥がちょっと苦手かもしれません。 光熱費は都市ガスだと1回50円だそうですが、拙宅はプロパンガスなのでおよそ60円だそうです。 乾太くんを使ってみよう! まずは洗濯。 昼間はスーパー!?営業マンですが、夜は主夫と化す私。自分の洗濯は自分でやっております(奥様が一緒に洗いたくないそうで・・・) 色々試してみたかったので、仕事用のワイシャツ、チノパン、子供の服とタオルをいれました 洗濯機は9キロ用で、水量見ると8割までいってましたから実質の量は7キロかなー 1回では無理な量ですね。 洗濯が終わり、さぁ投入!(この辺写真撮って無くてすみません) 取説見ると、洗い終わりの状態でドラム半分ぐらいまでが目安との事。 入れてみるとほぼ半分(これも写真取り忘れた!) 2kgオーバーですが、まぁえーかって事でスタート いくつか乾燥方法があるのですが、よくわからんから標準でスタートです。 乾太くんの乾燥時間 ひたすら待つ ひたすらなんて書きましたけど、1時間とちょっと。65分ぐらいかな。乾燥終了! (写真↑) カタログには5キロで52分、8キロ80分って書いてましたから、目分量での7キロは正解かもしれませんね ちなみにヒートポンプ式の全自動洗濯乾燥機で5キロを乾燥するのに162分(2時間42分)かかるそうです。(カタログ記載)。ちなみにうちのスタッフの実感でもそれくらいか、それ以上にかかるそうです。 容量ですが5kgちゃうやん! 7kg乾燥できたし! と喜んでいたら 後日スタッフに「入れるものにもよるけど、適量を守らないと乾きむらや、余分な光熱費がかかる!」と言われてしまいましたが・・・ さて、乾太くんの実力やいかに まず、仕事のワイシャツの確認。カタログに「大風量でシワを軽減」って書いてたからどんなもんかと思い、あえて形状記憶タイプではなく、「弱脱水で干す前にパンパンしてシワ延ばしたら、アイロンかけんでもギリ行けるで」、タイプのワイシャツを突っ込んでみました。 「どこがシワ軽減やねん!」 って突っ込みたくなる仕上がり(苦笑)  会社の主婦の皆様と話していると、ワイシャツだけとか少ない量ならシワにならなかったのでは?とのご意見。 確かにそうかもしれませんね。でも1枚ではもったいないし、忙しい主婦(夫)がこれだけ分けて2度回すとかは現実的ではないかなって思います。 アイロンが必要になるようなものはハンガーで干した方がよさそうです。 チノパンは可もなく不可もなくって感じです。シワは干してる時より少し多めかな?  そもそもシワがあるようなズボンなので、乾いていれば問題無しです。 それ以外の物の仕上がりですが、乾燥は完璧ですね。 まさにカタログ通り。 フカフカ、フワフワです。 比較出来ないのですが、明らかにタオルの厚みが変わりました。 嫁さんが、 「カピカピペラペラで捨てようと思ってたタオルが蘇った!」 って言うてたのがわかりました(笑) 私的にビックリしたのは、普段ワイシャツの下に着ている下着の仕上がり。 これこそ、ペラペラ・カピカピだったんですが、何ていうのか、生地の厚みを感じるんです。ちょっとこれはビックリでしたね 乾燥は完璧、って言いたい所ですが、少し問題もあります。 まず、袖が折れたまま洗ったり、靴下くしゃくしゃのまま放り込むと、乾燥甘いです。 当たり前か(苦笑) 乾燥前ではなく、洗濯前には折ってる所は延ばして入れましょう それと、こういうスエット地の厚手の物。 これはクシャクシャになってなかったのですが、この足首あたりが乾いてませんでした。 規定の5kgを超える量を入れたせいなのかもしれませんね まぁ、それでもこれも問題ないレベル。 では乾太くんにデメリットはあるのか いいことづくめのようですが、いくつか注意点はあります。 まず、ガスを採用することは必須になります。 都市ガスがない地域はプロパンガスの契約が必要です。 マンションなど壁に穴をあけることが難しい建物は設置ができないことが多いです。 また、専用の台を使用しない場合は、耐荷重60キロ以上を確保した棚を用意しなければいけません。 乾太くんを採用される方は、縦型洗濯機を使われることが多いと思います。 縦型洗濯機は上部にふたがあり、洗濯物の取り出しの動作も上からになります。 洗濯機のタイプによってはふたが折れないものもあり、そのため乾太くん自体の設置が高い位置になりがちで、背の低い方は高さをよく検証したほうが良いかもしれません。 特にスタンダードタイプはフィルターが本体奥にあるので、掃除がしにくいかもしれません。 それと、乾燥機ですから当たり前ですが、洗濯から乾燥までが一気には出来ないこと。 これをお望みの方はヒートポンプ式の洗濯乾燥機の方が向いていますね お忙しい方にはかなりおススメの乾太くん 乾太くんを妻が欲しがったのもわかりましたし、実際これはかなりオススメだと思いました 特に子育てしながら共働きの方にはかなりのお助けアイテムになると思います。 雨が降ろうが、梅雨時だろうが、明日必要な体操服を洗うのを忘れていようが、まったく問題ありません!今までの乾燥機でもそういう意味では問題ないのですが、ガスはとにかく早くて、安くて、気持ち良い!(2回言うてもた) 熱源がガスという事なので、家全体の熱源をどうするかという問題点はありますが、最初からガスを採用される予定の方なら、おススメ必須アイアテムでしょうね。 これから建築予定の方は是非検討してみてください。 ところで、洗濯物をソファの上でたたむ、忙しいから立ちながらたたむ、など色々なたたみ方はあると思いますが、私はやっぱり、畳の上でたたむのが好きです。  ピンと伸ばせるし、ホコリもつかない(多分) 大好きだった祖母が、天日干しして取り込んだ洗濯物を、出の間の畳の上でたたんでいた姿を思い出しました。 古き良きとまでは言えませんが、これも暮らしの中にある風景として残していきたいなって感じた次第です。 乾太くんの導入と共に、こちらの記事も参考にどうぞ 新築するなら室内干しの場所を確保しよう オール電化?それともガス併用?比較してみよう
家を建てる前に読みたいお話
2024.10.10

断熱性能の高い玄関ドアを選ぶことで、より快適な暮らしを手に入れる

断熱効果の高い玄関ドアを選ぶ前に必須のこと 上の画像は弊社の施工途中のもので、玄関土間部分になります。 断熱材を敷き詰めたら土間打ちをし(工事途中です)、タイルなどで仕上げます。 床下断熱でも基礎断熱でも同じです。 この土間部分の断熱がされていないと、いくら玄関ドアを良いものを選んでも意味がありません。 土間から冷気が侵入し、不快な室内環境になってしまいます。 ただ、実はこれは義務ではないので、念のため確認されることをお勧めします。 高断熱仕様の家に選びたい玄関ドア 上の画像は熱の移動を表したものです。 このように熱の移動は窓や外部ドアなどの開口部からがほとんどです。 では、断熱性能の高い玄関ドアにはどんなものがあるのか? 主に木製ドアと鋼板(金属)に化粧シート(一部天然木)を貼ったドアがあります。 木製ドアは一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、実は木製サッシと同じく断熱効果の高いものです。 玄関ドアの紹介の前に、基準となる性能値を見てみよう 編集中 高断熱仕様の家に選びたい 木製玄関ドア 本物の木で出来ていますから質感などはやはりいいと思います。 ただ、木製なのでやはり色は変化していきますし、メンテナンスも必要になってきます。 再塗装などをご自分で楽しんで出来る方には、是非お勧めしたいドアになります。 ユダ木工 引用元 ユダ木工株式会社 こちらの会社は木製のドアやサッシを古くから作られている広島の会社です。 玄関ドアもいくつかシリーズがあるのですが、その中のMIYAMA桧超断熱TSというドアは熱貫流率が0.82※という性能が出ていました。 ※熱貫流率(U値)とは性能を表す数値で、小さいほど性能が良い ホームページはこちら イマガワ 一迎 引用元 株式会社イマガワ こちらの会社は国産のヒノキや杉で主に室内建具を作っている岡山の会社です。 最近玄関ドアも開発されました。 こちらの熱貫流率は1.38となっています。 ドアハンドルなどは変更出来そうです。 ホームページはこちら ガデリウス 引用元 ガデリウス・インダストリー 弊社ではまだ使ったことがないのですが、とてもおすすめの木製玄関ドアです。 スウェーデンの会社で作られているものですが、日本にも支社があるので国内在庫もあり、何かあったときは対応もして頂けそうです。 こちらの木製ドアもとても性能が良く、ガラスが入っていないタイプですと熱貫流率は0.77となります。弊社でも是非採用していきたいと考えています。 ホームページはこちら 高断熱仕様の家に選びたい 玄関ドア 一般の方がよく目にされるのは、こちらの鋼板(金属)に化粧シート(一部天然木)を貼ったドアになると思います。 有名な大手メーカーではYKKapやLIXIL(旧トステム)が双璧でしょう。 シート貼りとはいってもとてもよく出来ていて、見学会などでは「本物の木ですか?」とお客様に尋ねられます。 どのような構造になっているのか、YKKap様の画像をお借りして見てみましょう。 これはYKKapのヴェーナートD30(D2仕様)という中位グレードの断熱玄関ドアです。 熱貫流率はこのドアで2.33とあります。 ドア本体の中に断熱材が入っているのがお分かりいただけると思います。 こちらは「プロント」というアルミ製玄関ドアになります。 見ての通り断熱材は入っていません。 高断熱の家でこのドアが採用されることはあり得ませんが、建売やローコスト系ではありそうです。 YKKap 引用元 YKKAP株式会社 YKKの玄関ドアで一番グレードの高いシリーズがイノベストD70、こちらで熱貫流率0.90になります。 D70は面材がシートではなく天然木になるので、色の変化があり再塗装も出来ます。 本物の木を使っているのと、デザインがすっきりしているのでとてもカッコいいドアだと思います。 D50のシリーズからは面材がシートになります。 イノベストの下位グレードが前述したヴェナートD30となり、D2,D3,D4とグレードが分かれています。 面材にシートを使った商品はデザインや色が非常に豊富です。 ホームページはこちら LIXIL 引用元 株式会社LIXIL LIXILの中で上位グレードはグランデル2というシリーズになります。 グランデルの中にもハイグレードとスタンダードのグレードがあり、名前の通りハイグレードが上位グレードになります。 この違いは樹脂枠を使っているかどうかの違いのようです。 このハイグレードで熱貫流率0.89となっています。 グランデルの下位グレードがジエスタ2というシリーズでK2とK4というグレードに分かれています。 K2グレードで熱貫流率が2.33とあり、ちょうどYKKのヴェナートD2と同じですね。 ホームページはこちら 高断熱の家の玄関ドアに何を選ぶ? 実は玄関ドアは家を建てるのに必要な物の中でも、高額な部類に入ります。 また、玄関は常時とどまる場所でもないので、リビングや寝室の窓ほど性能は気にしなくても良いのかもしれません。 そうは言っても家全体の性能のことを考えると、最低クリアしたいレベルはあります。 滋賀県の5地域にある弊社ではYKKのヴェナートD2仕様をよく使っています。 このあたりは最低押さえておきたいグレードと考えています。 下は関連記事です。 新築するなら窓で後悔してはいけない 高気密高断熱の家の冷暖房設備はエアコンでいいのか 夏涼しくて冬暖かい家を、高断熱高気密で作るコツ 正直言ってYKKとLIXILの熱貫流率は同グレードであればさほど変わりはないし、予算とデザインで選んでよいと思います。 その中でいえば天然木を面材に使っている、YKKのイノベストD70は特別なものになるかもしれません。高額ですが。 ほとんどの工務店では玄関ドアと窓のメーカーをそろえるかと思うので、ドアだけでなく窓のことも気にしといたほうがいいですね。 特徴的なことでいえば、YKKは樹脂窓(複合窓ありますが)がメインですし、LIXILはアルミ/樹脂の複合窓がメインです。(樹脂窓ありますが) それぞれの性能やデザインを比べてみることをお勧めします。 木製玄関ドアを選ぶ場合は、窓のことは気にしなくても構いません。 予算に余裕があれば木製玄関ドアは是非オススメしたいところです。 高断熱の家の玄関に引き戸はダメ? ここまで玄関ドアのことをずっと書いてきましたが、玄関引き戸はどうなのでしょうか? 実は引き戸はドアに比べて形状がどうしても高断熱向きではありません。 それでも木製引き戸は良い数値を出しています。 上の画像は弊社の施工例で、ユダ木工の木製玄関引き戸になります。 こちらで熱貫流率1.92となっています。 大手メーカーではYKKが2020年5月発売予定で新しく発売するようです。 断熱スライディングドア 「コンコードS30」という商品です。 断熱タイプ袖付き枠で、熱貫流率2.06となっています。 引き戸は若い方にもとても人気で、断熱性の良いものが出来てうれしく思います。 WEBカタログはこちら 14ページ 家全体のバランスを考えて、玄関ドアや引き戸を選んでくださいね。 玄関ドアを吟味するように、窓も吟味して下さい 新築するなら窓で後悔してはいけない
家を建てる前に読みたいお話
2020.09.10

工務店経営者が語る、自邸の家づくり・・土地を読む編

以前、土地を購入するに当たってのポイントをブログに書きました。 ハザードマップで災害の少ない場所か調べたり、地盤が緩い土地でないか調べたり、学区・駅・スーパー等暮らしていく上での利便性、価格などの情報を整理して決めていきましょう、というようなブログです。 家づくりのための土地探し、ポイントを押さえよう! もちろんこれが正しい土地の見つけ方。 でも、今日は少し違った切り口です。 さっきのブログでご紹介したのは、物理的な情報を元にした土地の決め方なんですね。 値段が○○○万円駅まで○○分想定浸水高さ ○○センチetc 今回は、数字で表せない部分「その土地で心地よく暮らすには?」という部分にフューチャーした土地の見方を説明します。 これは私のやり方なので、正解ではないかもしれません。他にもやり方はあると思います。 ただ、こういう見方をすると、物理的情報が例え良く無くても、良い土地の場合がありますし、逆に、最高の土地のはずがそうでもなかったり、、、 とにかく知っておいて損はありませんから、良かったら参考にして下さい その地に立って感じてみよう 言葉通りです。まずその土地の中央に立って色んな物を感じて下さい 目で見える物、耳で聞こえる物、肌から感じる物など 具体的に説明した方が良いので私の土地購入の時の事を参考に説明しますね 目で見える物 200坪を超える大きな土地ですが、周囲に隣家が建ち並ぶ、在所の中央。景色が良い訳ありません(苦笑) 但し、その古くからの建物が建つ街並みは決して不快な感じはなく、この地域の特徴であるベンガラ塗りの在来工法の家だったり、築年数100年を超えているような蔵、畑や近所の生垣など、人工物で造られた物はほとんど見えません。 倉敷などの美観地区のような美しさはありませんが、この地域を表すある意味風情ある景観です。 ちょっと目線を上げて見ましょう。東には霊山の山々 北には緑の木々が生える小高い山 南には多賀大社の御社を守る御神木の森(写真南)が見えそうです。 もう少し目線を上げましょう。高圧線や電線といった障害物はありませんね。 高圧線からの電磁波の健康被害を聞いた事がありますので、この部分も少し安心できる所です。 耳で聞こえる 丁度時期的には、稲刈りをされてる時期でした。在所は田畑に囲まれており、稲刈り機などを動かされていましたが、その音はほぼ聞こえません。 特に大きな工場は無い事を確認していますので、もちろん工場の音はありません。 2、300m離れた所に国道がありますので、トラックなどの音が聞こえるかと思ったのですが、ほぼ聞こえません。前面道路の車の往来は調査している30分の間は1台もありませんでした。 少し歩いた所に、農業用水路と芹川があるので川のせせらぎが聞こえるか?と期待していたのですが、さすがにそれは無理でした。 感じた印象は「無音」です。 肌で感じる 近くに工場があったり、家畜場などあると、独特の匂いはします。これは無かったのですが、ご近所でドラム缶を焼却炉変わりにされてる家があり(これ違法なので本当はダメですからね。皆様は法律的に問題ない焼却炉をお使い下さい)、その匂いが若干しました。 そして風 あまり風の強い日では無かったのですが、微かに風を感じます。 この地域は日中は基本的に琵琶湖からの西風があります。但し、東西に長い在所だからか、西からの風は家に遮られ、あまり風を感じられません。 逆に北側に隣家の畑があってそこが少し空間としてあいてるせいか、北からの風を感じます。こちらは北側に芹川がありますので、もしかしたら川風かもしれません。 そして南側からも風を感じます。 というかこれが西からの風かもしれません。西風が家に当たり南の道路を通ってきているか、東の家に当たってから来ているのかわかりませんが、南方向からも風を感じます。 ちょっとうろうろ歩いてみよう 不審者と勘違いされないようにして下さいね(苦笑) 家の廻りを少しウロウロしましょう。ネットだけでは掴めない情報があります。 ちょっと歩けば、子供の遊べる近所の公園やグランドがあります。この公園は隣に隣接する大きな分譲地用に作られた公園です。遊ぶ場所には申し分ないですし、息子が大きくなったらここでキャッチボールをする絵が浮かびました(笑) 小さな神社にお寺さん。子供の事なので、お寺や神社で遊ぶのでしょうね。 、、、、 と思ったのですが、最近の子はそんな遊びしないようです! 20mも歩けば小川があり、反対の北側には芹川があります。芹川での川遊びはもちろん、小川にもサワガニとかいてめちゃくちゃ遊べそうです(私が子供なら) 子供の遊び場には申し分ない環境ですが、水路(小川)にガードレールはありません。また、芹川はそれほど流量はありませんが、それでも一級河川ですから、雨が降れば荒れ狂う川に早変わりします。 この二つの川は少し注意が必要かもしれません。子供には、よーく言い聞かせなければなりませんね。 もちろん、車の脱輪も考えられます。 道幅は3mありませんから行き交う事は不可能です。但し、車の往来は皆無に等しい?と言っていいぐらい通りません。ただの通りやすい道です。 古い在所だけにあまり新しい家はありませんでした。前情報として多少知っていましたが、私達より一つ上の世代が多いようです。過疎までは行ってませんが、若い世代は外に出ている家が多いようです。 ゴミ収集場はちょうど良い距離感です。近くだと匂いとか気になりますしね。近すぎず遠すぎずって感じです。 田畑に囲まれた在所で、本当にのどかな風景が広がってます。村民の皆様と仲良くしてたら、畑の野菜の差し入れが期待出来そうです(冗談です) それよりも、自宅の敷地内で畑をしようと考えていましたので、教えてもらえそうな方がたくさんいらっしゃりそうで、これはある意味プラスポイントかと。 見て、感じて、歩いた情報を整理しましょう。 見た情報 周囲が建物に囲まれていますから、基本的に1階からの景色は良くありません。但し、一部建物のスキマから山々がみえますし、2階からは先程の森や木々が見えますので、借景とまでは言えませんが、これは家からの眺めとして有効利用します。 個人の嗜好ではありますが、1階から見える景色は「森」「林」にしたいと思ってますので、大きな土地を利用して、LDKからの眺めには森のような庭をしようと考えました。 ここにウッドデッキをし、庭を眺めたり、家族で遊んだりの多目的スペースにします。またこの庭は作り込んだ物にするのではなく、ビオトープでは無いのですが、雨が降った時にだけ溜まるような池を作ったり、出来るだけ自生しているような自然な環境に整えて、子供達には学びと、訪れてくれる方には癒しが与えらえたらと考えました。 そしてそして、この森のような木々を利用して、プライバシーを守ったり、お隣との境界を作っていければと考えた訳です。 何故か?どの家も境界にフェンスなんてしてませんから!(笑) もちろん、生垣や門などされている家もありますが、個人的に、この微妙にオープンな感じが古い在所の良い所かとも思っていますので、そういう所は守っていこうかと。 近所のおばちゃんが、木々の間から入ってきて「きゅうり ぎょうさん出来たからいらんか?」と言いながら入って来られる事も想定(希望!?)しています 道路側も最初の写真にありましたが、石垣や草花をうまく利用して、周囲の景観になじむような自然な感じに仕上げようかと思いました。 聞いた情報 無音でしたから、ほぼ対策無しです。普通に作れば困る事は無さそうですね 感じた情報 匂いについても特になにも問題なし。近所のドラム缶焼却炉については、止めて下さるのを期待するしかないですね(苦笑) 風は間違いなく南北を意識した間取りにしたいと思います。南から北への抜け道が出来れば、風は良く通ります。 2階は、恐らく琵琶湖からの西風がありそうなので、西にも風を取り込める窓を設ける方が良いでしょう。 歩いた情報 子供が遊ぶには、車の往来がほぼ皆無で、交通事故という危険性が極めて少ない地域であり、遊び場だらけです(私が子供なら)自然の脅威をしっかりと子供に伝えられれば、こんなによい環境はありません。 古い建物が多いという事は今後建て替えされる可能性はあります。ただ、大きな土地を買ってますので、近所の家が3階建てになっても、畑や駐車場はともかく、家が日陰になる事はありません。 一つ世代が上の方々なので、うちの子供は完全に孫みたいなもんで、子供を連れて見に行った時は、早速遊んで下さってました。 不動産的には道幅が狭いというのは、結構なマイナスイメージです。前面道路が4mなら行き交う事が出来ますが気を使いながらの往来になるので敬遠されます。6mまでいけば全く問題ありません 今回の現場は3mありませんでした。2.5mぐらい。南側からだと2mあるかないか。 でも先程も書きましたが、車さえ来なければ、ただの道です。苦も無く通れます。 南側からは軽自動車は問題ありませんが、普通車は少し厳しいです。 但し、この土地はどちらかというと北側から入ってくる方が便利そうな土地ですし、北側だけの出入りになったとしても不便を感じるような距離感はありませんから。 まとめ 全面道路が2.5m?   そんな狭いの無理 古い在所?       しきたりとか面倒だし古臭そう 近隣に囲まれている?  景色が悪そう。近所付き合いも面倒くさそう あなたが今までデメリットと思っていたことは、それほどデメリットでは無かったり、場合によってはメリットになる部分がある事に気付いて頂けましたでしょうか? もちろん、個人の考え方によってはNGの部分もあったかと思いますが、不動産的に価値は低くても、それ程問題でない事は理解して頂けたかと思いますし、何より不動産的に価値が低い条件があると、価格が安い!これはオマケです(笑) 土地を決める前、また決めたあとの間取りを考える上では、ネットの情報や不動産情報だけではわからない、現地に行かないとわからない部分が、良い事も悪い事もたくさんあります。 物理的な条件が揃ったからと言って契約するのではなく、現地を自分の目でみて、その先の暮らし方まで想定して考えれば、自ずと答えは出てきます。 間取りについてはもちろん工務店の協力が必要ですが、景色を確認し自分が癒される・心地よく感じれるポイント(山々や自然が見えたり)を見つけられれば、そこを中心においた家造りを依頼すれば良いのです。 そんな見方から始まる土地選びですが、今回題材にした自邸の完成見学会が間もなく始まります。ご来場の際はその地に立って、私の言っていた事を確認しながら見て頂くと、間取りや家の配置や庭(まだ出来上がってませんが)が何故こうなったのか理解して頂けると思います。 家を建てる前に読んでほしい小冊子差し上げます下記からどうぞ。
家を建てる前に読みたいお話
2020.08.31

工務店経営者が語る、自邸の家づくり・・ 土地探し編

マルトの経営者の一員として長らくお客様の家を手掛けてきた私、澤田が自邸を建てる中で留めておきたい思ったことをブログに書いていこうと思います。 仕様や性能も触れていきますが、それは別のブログにも書いていますので控えめにします。 実際にあった事や、考えた事、迷った事など、隠し事なく赤裸々に書いて行こうかと思いますので、今悩んでる人、これから考えるという方々の参考書もしくはバイブル(ちょっと大げさ!)となるようにしていきたいと思います。 まず、一番大事な事。 工務店の常務だからって、特別な家を建ててません! 皆さんと同じです 普通にお金がかかりますし(若干は安いですが)、自分のやりたい放題でやったら嫁さんに怒られますから、現実的な範囲でどこまでやれるかという感じで考えました。 なので特別なデザインでもなく普段から自分達がお客様にオススメしている「普通」の家です。 マルトにとっても、世の中の家を建てたい方にとってもスタンダードとなるような家を目指して作りました。 家を考える前に基本のキ 地面が無ければ家は建てれません(笑) 三男で土地をもっていない私はまずは土地探しから始まります。 このあたり(彦根市)の一等地はとても予算的に買えません。 出来れば会社まで車で30分までの所が理想。 それと、子供はこれから大きくなっていきますので、学校をどうするかも重要です。 家造りを考える方の多くが子育て世代ですので、やはり商談していますと必ず「学校」「学区」はポイントとして挙がってきます。 私も全く同じですね。 という事でまずは土地探しから始まりました。 嫁さんと数年前から、「住むなら何が重要?」なんて話をずっとしてましたので、何となく方向性は決まってました 嫁さんは、子供の住環境を重視もちろん僕もそこは同意 後述しますが、基本的に子供の住環境を考えると、大人にも暮らしやすい場所になると思います。 駅近、病院の近く、スーパーに歩いて行ける立地、などとはまったく考えてません。 この辺りは車が無いと困る地域なので、大人になればほぼ免許を取ります。 買い物も病院も車で行きますし、余程の山奥(私が生まれた実家など)で無い限りは基本NGの土地は無いんですね。 ただ、この住環境の考え方には意見の相違がありました。 嫁さんは、近所に同い年ぐらいの子供がいる地域。僕は近所に大通りのない静かな場所。 嫁さんの要望通りなら、手っ取り早いのは新規分譲地。子育て世代が建てる事が多いので、ほぼ間違いなく同年代になります。 しかし、それでは嫁さんの要望とズレが生じます。 嫁さんはお隣との間が狭く、窓や音などご近所を気にしながら生活するのはイヤとの事。(私もゆったりした土地が希望でした) なんと、嫁さんは小高い丘にポツンと建ってるのが理想だったそうです。それは様々な要件で実現は難しいですし、そもそも近所に子供がいないので、嫁さんのポイントから外れます!! また、私の個人的な希望という事で、古い在所(村)の中を探してました。 古い在所には、確かに面倒臭いしきたりはあるのですが、比較的静かな地域が多く(交通の便は悪い)、既に周囲に建物が立っているので、視線などの対策も出来ますし、なにより住んでいる人がわかるのが大きいです。 どんな人が来るのかわからないどんな家が建つのかわからない この不安が無いのが古い在所の良い所です。そんな条件を整理しながら探すと自ずと場所は、彦根(郊外)、多賀に絞られてきます。 彦根・多賀といっても範囲が広すぎるので、もう少し絞ってみる事にしました。彦根の南部は通勤に30分越える可能性があるので無し。必然的に河瀬より以北になります。 また、湖に近い所は、冬場の強風も気になりますし、比較的地盤が緩い所が多いです。 ハザードマップなど見ると、湖岸は川の下流域になりますので、湖からの増水・川の氾濫の可能性が高いので、市内でも出来るだけ東側(8号線の方)が理想です。 そして一番重要な土地の値段! 私はこういう仕事しているので、既に自分で色々計算していましたから、予算は決まってましたけど、一般の方は、一番最初にライフプランを組む事が大前提ですね。 ネットで自分で組むことも出来ますし、工務店が無料でライフプランをしてくれる所もあります。 そうすれば、土地・建物でいくらまで予算が掛けられるか見えてきます。 希望や予算からすると、小さな土地は×ですから、彦根の中心部はほぼNGですし、あったとすると1000万オーバー。 工務店だからではないですが、住み心地を優先したいので、家にお金を掛けたい。 どう計算しても60坪以上で1000万以下しか無理でした。 これが、なかなか難しい。まず便利な街中ではありません。あったとしたら、何かしらの問題があるからだと思います。 探し続ける事5、6年(その間いくつか候補があったのですが、その時のお客様に優先してご紹介していたのでなかなか私に廻って来ることはありませんでした。苦笑)) ついに今回の土地に巡りあえました。 場所は多賀町月之木 古い在所のど真ん中 道幅は狭いけど、住民以外の往来はほぼ無し。近くに芹川があり、畑や田んぼにも囲まれた自然豊かなホンマに静かな土地です。 同年代の子供はいませんが、歩いて1分もすれば大きな新規分譲地があり、そこには子供の同級生がいっぱいいます。 小学校や中学校までは一足ありますが、それでも15分もあれば歩ける距離で、保育園は歩いて5分です もちろん、高校や大学に行くとなると、市内ほど便利ではありませんが、恐ろしく料金の高い近江鉄道が一応ありますし、南彦根駅なら自転車で20~30分あれば付きます。 私の生まれ育った実家だと峠を2つ超えて1時間ですからね。平坦な土地でこれなら十分かと。 さらにさらに周囲は民家に囲まれていますから、眺望は良くないですが、眺望など関係無しといわんばかりの200坪の土地(苦笑)しかも400万! 嫁さんの要望である、周囲の家との距離を気にする事など全くない大きさです。 また、多賀町は言い方悪いのですが、かなりお金持ちの町。 大きな工場がたくさんありますので、税収が多くかなり潤っていますので、補助や助成が手厚いので、子育てには本当に良い地域だと思います。 という感じで、多少不便な部分はもちろんあるのですが、ほぼ希望の土地が見つかりました。 本音言うと飲みに行くのに自転車で行ける彦根の利便性に、かなり心動かされていたのですが(笑)、 何だかんだ言いながら残りの人生考えると、畑したり庭いじりしたりする老後の時間の方が多そうだったので、多賀のような田舎で良いのかなって思いましたし、何より、嫁さん子供の事を考えるとベストな場所でもあったので、この地に骨をうずめる事にしました。 「土地は縁のもの、見付けた時が買い時」とよくお客様に言います。 私の場合それを2、3軒逃していますので、このまま見つけられなかったらどうしようと思ってはいたんですが、捨てる神あれば拾う神ありとはこの事ですね。 御施主様にお譲りした物件と比較しても、申し分ない良い土地を見つける事が出来ました。時間はかかりましたけど(苦笑) 今回は、家造りのはじめの一歩の説明になりました。ここから、家造りが本格化するのですが、その話は次のブログになります。 土地探しについての記事はこちら 家づくりのための土地探し、ポイントを押さえよう!
家を建てる前に読みたいお話
2025.10.10

なぜ、木は乾燥していないといけないのか?

木が濡れる状態は2種類あります 濡れてもいいのかダメなのか、どっちなんだ! と言われれば、もちろん濡れることはよくありません。 ただ、これは程度の問題がありますので、絶対ダメって訳ではありません。 濡れても乾燥させればOK 濡れても濡れる程度によってOK つまり、木が濡れると言ってもどんな状態で濡れているのかが重要です。 ダメなのは常に濡れている状態、あるいは濡れたままなかなか乾かない状態で、OKなのは一時的に濡れてしまっても乾く状態です。 常に濡れている状態、あるいは乾かない状態 これを家に限ってどんな状況かを考えると、例えば降った雨がウッドデッキに溜まってしまい乾かない状態や、雨が当たったままで陽射しや通風がないため、あるいは施工が悪いため常に湿ったような外壁の状態です。 こうなると、カビが生えたり腐ったりする可能性が大きいです。 ただ、これらは設計の工夫やお手入れで回避できます。 ウッドデッキの例でいうと、直接雨が当たらないように屋根をかける、デッキブラシなどで水気を取る。外壁では土地の状況を読んで家を配置、設計するなどですね。 一時的に濡れちゃった、は大丈夫 木の外壁に雨がかかって濡れちゃった、は陽射し通風によりほとんどの場合乾くので何ら問題はありません。 弊社でも良く心配されるのが、上棟日が雨になりそう、という場合です。 こちらについては下の記事を参考になさってください。 上棟日、雨が降りそうなんですが・・・ 実は木は濡れることよりも、木材自体が持っている水分の量が問題なのです。 木は濡れることよりも、自分の持っている水分量が問題 無垢の木を扱う会社は必ず言います 「含水率(※)を〇〇%にしています」 私もかならず言います。 ※木に含まれている水分の事で、使われる部位にもよりますが20%前後が良いとされています お客様にしっかり乾燥した木である事を説明する為に、弊社の取引先(木を購入する先)には、しっかりと乾燥された間違いない商品であるか、確認の意味でも必ず聞きます。 この含水率の良し悪しで家の構造や仕上がりに大きな影響が出てきます。 そのため工務店及び製材所さんは様々な工夫と努力で、含水率を抑えた木材を使っているのです。 含水率を落とすとどうなる? 弊社が良く使うヒノキや杉は立木の状態ですと、木材自体の約1.5倍の水分を含んでいるそうです。150%ですね。 どうやって、含水率を落していくのか。 木の中には自由水と結合水という2種類の水分があります。 導管内を通る”水”の状態の物を自由水と言います。 細胞を形成する”水分”としての状態を結合水と言います。 自由水は”水”なので、簡単に抜く事が出来ます。 簡単って言うと製材所さんに怒られそうやな(苦笑) 自由水が抜けきると、その木の持つ含水率は概ね30%前後になると言われています。 もちろん何十年もほったらかしで乾燥(天然乾燥)させておけばもっと下がりますが、なかなかそこまで待っていられませんので、機械(人工乾燥)を併用しながら含水率を下げていきます。 含水率は20%前後まで下げなければなりませんから、そうなると当然結合水を抜かなければなりません。 しかし、これは水でなく組織を形成する水分なので、そう簡単に抜ける訳ではありません。 そのため製材所、工務店は様々な方法で水を抜く努力をしているのですが、その方法はまた別の機会に書くことにします。 この結合水ですが、成長する過程で木の細胞となった水分ですから、一度抜けると、今度これを戻すのはかなり難しいのです。 なんでも結合水を戻すには240℃の熱を加えないと無理だそうです。 食べ物を蒸す時に使われる蒸籠(せいろ)がどんなに蒸しても、腐ったり曲がったりしないのがその証ですね つまり、余程雨に濡れ続ける事が無い限り含水率が30%とか40%になる事はないんですね。 表面がちょっと濡れてるだけと思ってもらって問題ありません。 ましてや腐るなんてことはあり得ません。 これが上棟の際に雨に濡れても問題はない、という意味です。 最初にも言いましたが、濡れない事が一番です。 ただ、濡れても表面だけなので、その後の乾燥などしっかりとした対応さえしていれば問題ありませんのでご安心ください 乾燥するとどんなメリットがある? 上棟時の雨濡れから始まった木と水の関係。 最後は乾燥です。 なんで乾燥させる必要があるのか? 概ね次の2点です。 ● 木が強くなる ● 木が反ったり、割れにくくなるのです。 実は木は乾燥することで、強度性能が高くなる性質があります。 曲がりに対して折れにくくたわみにくくなります。 また、乾燥する過程で寸法の変化が進み、結果建築材料になってからは反ったり割れたりしにくくなる、ということです。 まず木は伐採してからどんどん水分が抜けていきます。 水分が抜けて含水率が落ちるのに比例するように強度が増していきますが、含水率は10%前後になると、そこで下げ止まりになります。 その下げ止まりの状態になるのが3~10年と言われておりますので、家を建てた時に聞こえる「ピシッ、ピシッ」というポルターガイストの音(木が乾燥してワレたり反ったりする時に出る音)は、築3年頃までは聞こえてきますが、それ以降音は減ってきているはずです。 3~10年で木の水分が抜けるのは止まってしまいますが、木の強度はまだまだ上がっていきます。 ある調査結果を見ますと伐採から200年後まで、木はどんどん強度を増していくんですね。 そこからゆるやかに木は強度を落していき、伐採時の強度と同じまで戻るのは1300年後です。 130年じゃありませんよ、1300年です どうですか? 無垢の木の強さを何となくですがご理解頂けたのではないでしょうか? ちょっと専門的な話になりますが、自然乾燥で可能な含水率30%になった状態を繊維飽和点といいます。 この状態までは木の伸縮はおこりませんし強度も基本的には変わりません。 ここから1%含水率が下がるたびに、曲げ、せん断、圧縮といった強さが数%ずつ上がっていきます。 含水率は下げれば下げるほど強度は上がっていくのです。 わかりやすく言うと、細い木の枝って、生えてる状態(乾燥してない状態)の時って手でぐにゃっと曲げられますよね。 ところが、折れて地面に落ちている状態の枝で、ある程度乾燥していると固くなって曲げるどころか折りにくくなります。 但し、もっと乾燥すると、逆に弱くなってしまい、簡単に折れるどころか踏むだけで粉砕されてしまいます。 ちょうど粘りもあって固さもある強度というのが、樹種にもよりますが7%~20%の間ぐらいと言われています。 弊社で採用する無垢材は構造材は20%前後、造作材は10%台と規定しております。 概ね乾燥した状態で使いますので、比較的材料の動きは少なく、またワレや反りも出にくくなっています 但し、、、 いつも口酸っぱく言わせてもらっているのですが、それでも木は動きます。ワレや反りも木の味と思って採用していますので、ここについてはご理解下さい。 先日、ある大学教授の講義を聞いていたのですが、残念ながら木のワレがある事で強度の低下はあるそうです。 但し、実際の木材を使い強度試験をした所、割れのひどいものや節の多いもので個体差はあるものの、木造住宅で使うレベルの荷重には全く問題のないレベルの強度低下だそうです。 無垢の木は強く、そして長くもつ性能があります。 しかしながら、それを活かすも殺すも調理する板前さん(山師、製材所、工務店、職人)次第なんですね。 木の特性を知らず、無垢の木を使う事はある意味危険です。 但し、木の特性を知ればこれほど、住まいに適した素材はありません。 このブログを読んで下さった方は、もう無垢の木マイスターです(笑) 無垢の木の家造りと暮らしを楽しんで下さい。 後悔しない家づくりに役立つ小冊子差し上げます。下のバナーよりどうぞ。
家を建てる前に読みたいお話
2020.08.04

上棟日、雨が降りそうなんですが・・・

上棟で雨が降ったら、どうする? 契約や上棟前に必ずお客様から聞かれるのが 「雨でもやるんですか?」 のご質問。 基本的に雨の場合はやりません。当たり前ですけど、作業に問題が出ます。仕上がりにも影響が出ます。作業員の危険も増します。 それと、やっぱり木が濡れる事はよくありません。ネットなどを見てると、在来工法は大丈夫とか、2×4工法はダメとか色々書いてますが、これは私の言葉を信じてもらって結構です。 濡れない事に勝るものはありません。 とはいえ、雨に降られない・雨水が完全に入らないようにするには、奇跡的に1週間~2週間雨が降らない日が続かなければなりません。 なかなかこれは実現不可能なことです。ですから、出来るだけ濡れないようにする、あるいは濡れた時にどう対処をするのかが、実は大事なポイントです。 雨になりそうな時の上棟の流れと押さえるべきポイント 雨が降らない状態で屋根はかけてしまいたい 上棟当日、怪しそうな天気の場合どこに注目すればいいかを書いてみました。 降らないうちに屋根まで出来れば、まず第一段階クリアです。 屋根が出来れば、家自体の濡れ方は全然変わります。残念ながら屋根が出来るまでに雨が降りそうなら、あるいはその日のうちに屋根まで作業が進まないならば、ブルーシート等で一時的に養生する(覆う)必要はあります。 屋根をクリアしても第一段階と書いた通り、外壁が出来上がらないと、完全な防水にはなりません。 すぐに透湿防水シートを貼る事が出来ると良いのですが、工法や工程によっては1~2週間貼れない場合もありますので、一時的にブルーシートで覆う事が出来ればベストです。 覆うことでかなり濡れは軽減出来ますが、それでも一時的なものなので、外壁に近い場所は一部濡れる事があります。 また、このブルーシート等での養生がされていないと、2階に比べ1階部分は結構雨が入ってきます。 床下断熱でなく、基礎断熱で床下エアコンをする場合は、床下に雨水が入ってきてしまいますと、湿気の抜け道がありませんから、後々床下にカビ発生のリスクがあります。 まずは雨水を入れない工夫が一番で、それでも入ってしまったら、よく乾燥させる事が重要です。 上棟日を延期する 上棟予定日の後が長雨になりそうとか、台風が来る時(そんな天気予報の時はそもそも上棟をしませんが)は、外壁にブルーシートはもちろんなのですが、それ以前に可能なら上棟日の延期を考えることも一案です。 とはいえ実は、実際のところ上棟日の延期は色々な問題があります。 上棟とはその家を建てる大工一人が携わるわけではなく、応援の他の大工、その他職人さん、レッカー屋さんもそうですが、その日に合わせて皆予定を組んでますから、変更するとかなり予定が変わるかもしれません。それこそ完成時期にも影響が出ることがあります。 天気予報がそこまで悪い感じでなければ、思い切って工事を進める事も選択肢の一つです。工程もずれませんし、実はちょっとした雨ぐらいなら木にはほぼ全くと言って良いほど影響はありません。 これについては別記事で書いています。 なぜ、木は乾燥していないといけないのか? 上棟だけに限らず、基礎工事や外構工事の時もそうですが、家を建てるのは外部で行いますから、どうしても天候に左右されてしまいます。 「神様じゃないんだからそれは仕方ない事」 とあきらめて、天気なりに進めるのではなく、そういった時にどう対処できるかという事を考えておくことが大変重要です。 まとめてみました ここまでのことをまとめると以下のようになります。 ① 濡れないようにする② 濡れたらしっかり乾燥させる③ 明らかに天候が悪そうならば上棟を延期する④ 施工者に雨が降ることを想定した対処法がある 雨が降ったらどうするか? ではなく雨が降ることを想定した工程と施工方法を考えておく事が重要で、弊社もこのあたりはしっかり押さえて管理しております。 お時間あれば、是非上棟直後の弊社現場をのぞいてみて下さい 上棟時に雨に濡れることで起こる不安 残念ながらカビの発生はないとは言えない 雨に濡れる事でお客様が心配されるのが ”カビ” 皆さん、カビの発生条件をご存知ですか? 栄養湿度空気(酸素)温度 この4つが揃うとカビが発生すると言われています。 カビは0℃~40℃で発生します。特に繁殖しやすいと言われているのは、 20℃~40℃で湿度は70%以上。 だから梅雨時はカビが繁殖しやすいんですね。 長雨が続き晴れの日がなく、高温多湿で乾かない時期が続くと、木材にもカビが発生します。「カビが発生したらもうおしまい! 交換しかない!」そんな極端なことはありませんのでご安心下さい。 しっかりと乾燥させればカビは死滅し、構造的にも影響はありません。但し、カビがシミとして残りはするのでご注意下さい。 濡れないようにする ↓濡れたら乾かす ↓何らかの理由でカビてしまった場合も、まず乾燥。 ↓乾燥後、影響無い部位ならそのまま使い、部位によっては交換。(影響のある部位とは仕上がり時に見える部分です) この流れの対応が必要です。カビは先の4つの条件が揃うと発生するのですが、逆に1個でも無くすと発生しなくなります。 そういう意味では、在来工法は上棟後一定期間骨組み状態になっていますので、湿気を抜きやすい環境です。 2×4は注意が必要 2×4工法は合板で作ったパネルで組み上げていきますから、雨は大敵です。濡れたら湿気が逃げる事ができません。 また、パネルに使われる合板もボトボトに濡れると構造的にも弱くなってしまいますから、2×4工法は屋根が塞がるまで雨降らない事が理想といえますね。 一番初めに書きましたがが、上棟前後は雨が降らない、そして濡れないのが一番です。しかしながら、なかなかそうはうまく行きませんので、濡れない対策、濡れてからの対策をしっかりする事が大事です。
家を建てる前に読みたいお話
2020.05.01

オール電化?それともガス併用?比較してみよう

電気と都市ガスとプロパンガスを、かかるお金で比較する 家庭で使うエネルギーを主たる目的の給湯・コンロで分けると、電気、都市ガス、プロパンガス、灯油に分かれます。 灯油は給湯しか使えませんし、案外知られてないのですが灯油の給湯ってめちゃくちゃ効率悪いんですよ。 ガスや電気の方が高いと思われがちですが、同じ給湯するなら一番高いのは灯油と思って下さって間違いないです。(それに灯油を買って入れるの面倒ですしね) という事で今回は灯油は除外します。 電気VS都市ガスVSプロパンガスでの比較をしたいと思います。 電気にしろガスにしろ、乾燥機や床暖房など色んな機器が使えて、それぞれの特徴を生かした住宅設備機器もあるのですが、そこまで比較し出したら本当に大変。 という事で、今回は年間を通して使う給湯とコンロを軸にして比較してみたいと思います。 実は、私共の地域(滋賀県)は都市ガスがまだ十分に整備されていません。 そのため弊社のお客様が都市ガスを採用する事がほとんど無いものですから、独自のデータではなく一般的に出回っているデータを利用しますので、ちょっとツメが甘い所もありますがお許し下さい 初期費用の比較 オール電化で必要な設備としては、エコキュート(給湯器)とIHコンロになります。 機種にもよりますし、多少工務店によって入り値が違いますので、一般的に工事費込みで60万円程度であるとお考え下さい。 都市ガスは、エコジョーズ(いわゆる給湯器)とか、エコワン(電気とガスのハイブリット給湯器)とか、エネファーム(ガスで電気を作れる)など、多彩なチョイスが出来ます。 さすガッスなガス会社さんは上戸彩でおなじみのエネファームをゴリゴリ押しされているのですが、 エネファームの商品単価はとにかく高い! ぶっちぎりです。 機種にもメーカーにもよりますし、さすガッスさんは過去の貢献度で機種の価格が変わるという、弱小工務店には厳しい仕入れ価格の設定をされているので、多少金額に幅がありますが、150から200万円はかかると思って間違いないです(初期の頃は300万オーバーでしたから、これでも安くなったんですよ) それにプラス施工費で20万ぐらいかとおもいます。 プロパンガスは、機器代が飛びぬけて安いエコジョーズ(給湯器)にして、高いガス代がバレないようにしたい所ですが、ここはあえてエコワン(電気とガスのハイブリッド給湯器)での比較にします。 何故、あえてこちらをチョイスするのか・・・ それは後のおたのしみという事で(笑) という事で機器代+施工費で80から100万になります。 このように初期費用についてはエコジョーズがダントツ安いのですが、プロパンガスの場合はガス代が高いのであまりおススメはしていません となると初期費用で一番安いのはオール電化となります。 余談になりますが、最近は電力会社が選べるようになりましたね。 都市ガスも同じく自由化ですので、大阪ガスだけでなく関電ガスが選べます。 プロパンガスは、、、昔から自由化です(苦笑) 電気は関電、都市ガスは大阪ガスと独占状態でしたので、比較できるようになって良かったのかなーとは思いますが、電気は特に色んな業種が参入してますから、比較するのは大変です。 これはまた別のブログで書くとします。 光熱費で比較してみる 実は家族の人数や、家族が使う時間帯によって随分と変わってくるので比較がとても難しいです まず、オール電化の仕組みをわかりやすく言うと、夜中の電気代はすごーく安く、朝と夜のわさわさした時間帯は少し安く、それ以外は普通の電気の契約より高いという設定になっており、さっきも言ったように使う時間帯によって大きく価格が変わります。 都市ガスについては、基本的に大阪ガスと関電ガスの比較ですが、じつはあまり良く知りません!(苦笑) エネファーム料金っていうのがあって、通常料金よりかなりお安いガス代になり、プラス床暖とか、浴室乾燥機付けるとかで料金体系が変わったように記憶しておるのですが・・・ プロパンガスも同じく、条件によりけりでガス単価が変わってきます。ほぼ都市ガスと同じ内容で単価が変わります。 都市ガスと同じく、プロパンガスも自由化されてますから選ぶ会社によってガス単価は変わります。 オール電化 関西電力のオール電化といえば、はぴeタイム(R プラン)です 以上が各電力会社が出している数値です。 なかなか良心的というかマジメな数値ですね。 はぴeタイムのサイトはこちら ところで弊社のお客様のオール電化住宅の実数値は、関電のデータから言うと45%減になってます。 安っ! 電力会社は一般的な住宅(中断熱中気密以下)をベースに算出している数値なので、性能が低い家だとどうしてもこれぐらいはかかると思いますが、弊社の高断熱・高気密の家なら上記の金額でいけますのでご安心下さい。 都市ガスでエネファーム こちらは今時の家(高性能)でのデータを出して下さっているサイトがありましたので、かなり実数値に近いと思いますので、そのまま利用させて頂きました。 ※ガス会社のデータはどうも胡散臭いので、採用しておりません やっぱり高いなぁ、、、 余談ですが、エネファームの広告宣伝みると、  表向き1  W発電で電気を作るからお得  表向き2  年間6万から8万光熱費が削減  表向き3  年間6万なら初期投資が高いけど回収可能 とか書いてますけど、あれ、ちょっとサギっぽいですからご注意下さい。 データは合ってますが、比較の対象が悪い 裏の意味1 確かに発電しますけど、発電の為にめちゃくちゃガス使います 裏の意味2 年間6万の削減の対象は普通のガス料金のエコジョーズ使った普通の家の光熱費ですから、そりゃ削減になるでしょう。 裏の意味3 6万で20年もつかえば初期投資は回収できますけど、まず壊れる可能性があります。 壊れなかったとしても回収対象が150万の機器ですから、ランニングもイニシャルも安いオール電化と比べたら、どこまでいっても回収どころかお金垂れ流し状態です。 プロパンガスでエコワン(ハイブリッド給湯器) 弊社のお客様の実数値データをメーカーのデータと比較してみました。 メーカーのデータはこれも一般住宅ベースなのかな? 弊社で採用頂いたお客様の平均数値はメーカーの40%減ですね。 やはりこれも性能の良い家は光熱費が安くなるという証明ですね。 さて、何でこのハイブリッド給湯器はお得になるのか。 それをご説明しなければなりませんね。  ハイブリッド、つまり電気とガスを併用した給湯器になります。  分りやすく言えばプリウス。 電気の良い所とガスの良い所をうまくミックスする事(ガスの悪い所を電気で補うという意味かな)で、出来るだけエネルギー(電気もガスも)を使わないようにする給湯器になります。 電気の契約はもちろん一般電灯契約になりますが、ガスはエネファームなどと同じ安価なガス単価になります。 基本的に必要な量だけ電気で沸かしてタンクに貯める。 なくなってきたら電気で沸かす。 エコキュートのように夜中で一気に大量のお湯を沸かして貯めるのではなく、必要な時にだけ沸かすという事で電気使用量を減らします。 電気代だけで見ると夜中の安い電気で作るオール電化のエコキュートの方がもちろん安いですが、使っている電気使用量はハイブリッドの方が少ないんです。 この辺りが省エネのポイントですね。 ガス給湯器は貯めていたタンクにお湯が足りなくなった時とか、追い炊きする時に使う程度ですから、極端にガスを使わないんですね。 だからこんな安いランニングコストになるんです。 更に太陽光発電とも相性が良くて、昼間の発電した電気で沸かせるモードや、逆に売電を優先して夜は電気とガスのお得な方で沸かすといったモードもあるので、こんな低ランニングコストになるんです。 ちょっと肩入れすぎた説明になりましたが、とにかくハイブリッド給湯器は良いと思います。 電気とガスのメリット・デメリット オール電化のメリット ズバリ安全性と価格です。 火を使いませんから火事になることもなく、高齢者のいる家でも安全に使えます。 深夜電力を使ってお湯を貯めておくので、電気代も安く済みます。 オール電化のデメリット 停電時にコンロも給湯もすべて使えなくなります。災害に弱いですね 貯めておいたお湯なのでそのままでは飲めません。 深夜電力を使ってお湯を貯めておくので、何かの理由でお湯を使いすぎると一時的に給湯できなくなります。その時の沸き増しはめちゃくちゃ高くつきますよー 都市ガスのメリット プロパンに比べると単価が安い 電気と同じ、インフラとしては万能。 タンク入れ替えや給油などの面倒がない。 メーターは付きますが、外観にブサイクなタンクは付きません 火力が強いので料理に向いているのと、あまり知られていませんがガス乾燥機にも使えます。 都市ガスのデメリット 自由化とはいえ大阪ガスと関電ガスしかない(弊社所在地) 災害時には遮断される。(電気に比べ復旧は遅い) 火を使うので火事の可能性と、まずないが爆発?の可能性がある プロパンガスのメリット 災害に強い。震災後などライフラインが断たれた時も、プロパンガスだけは使えます。 火力が強いので料理に向いているのと、今人気のガス乾燥機にも使えます。 乾太くんのデメリットはあるのか? プロパンガスのデメリット 料金が電気や都市ガスと比べて高いこと。 火を使うので火事の可能性と、まずないが爆発?の可能性がある 古い営業形態の会社があり、正直ぼったくり?と思うような営業方法をする会社がまだある。 また、卸しと小売りがあり地域により出来る出来ないがある。 電気と都市ガスとプロパンガス。じゃあどれ選ぶ? 安全面や料金面で見ると軍配はオール電化です。 いや、欠点も見つからないぐらいの完勝と言っても良いかもしれません。 もうお気づきかもしれませんが、それでも弊社はオール電化が一押しではありません。 その理由として、ちょっと違う角度から比較してみたいと思います。 電気とガスを違う角度から比較する 災害大国の日本ではたびたびライフラインが寸断されてしまいます。 日本に住んでいる以上、いつ大きな地震がやってきてもおかしくはありません。 また、異常気象の昨今では、2019年の千葉や長野のような台風災害が起こる事は、想定しておかなければなりません。 ひとたびライフラインが断たれると、自分の力だけではどうしようもありません。 電気の復旧は早いという神話がありましたが、19年の千葉でついにその神話は崩れてしまいました。 まずは、家自体を災害に強い家にしなければなりません。 そのために許容応力度計算による耐震等級3を確保するのは必須であり、弊社では変更の出来ない標準仕様にしております。下の記事は弊社の考え方です。 地震や災害に強い安全な家 その上で、被災後も考えなければなりません。 生き残る為の性能は当然大事ですが、その後生き続ける事、暮らしていく事も重要になります。 そこで出てくるのが、電気や都市ガスといった災害に弱い熱源ではなく、災害に強いプロパンガスです。 できれば、太陽光とセットでお考え頂きたいです。 そうすると・・・ 災害時には、もちろんプロパンガスも遮断されますが、自ら復旧させる事が出来ますので、ガスコンロは即座に使えます。 水があればお湯を沸かす事も出来ますし食事も作れます。ちなみにタンクに水が残っていれば(エコワンの場合)それを出す事が出来ます。 いかがでしょう。 こう考えると、オール電化に比べイニシャル・ランニングコストが高く付くのは致し方ない所ではありますが、その価格差はエネファームほどの差は無く、何より災害時の強さを考えると、プロパンガスの選択は大いにあり得ると思いませんか? もちろん、これからもっと良い商品も出てくると思います。 電気もガスももっと災害時に強い仕組みを作ってくる事とは思いますが、現時点ではトータルで考えてプロパンガスより良い熱源は無いのではないかと弊社は考えております。 実はもうちょっと、プロパンガスについてはお得な話もあるのですが・・・ それはここではちょっと書けませんので、営業担当の私まで、個別にご連絡頂ければと思います。 後悔しない家づくりに役立つ小冊子差し上げます。下のバナーよりどうぞ。
家を建てる前に読みたいお話
2020.04.30

注文住宅の諸費用解説!諸費用を知って予算を考える方法

注文住宅の諸費用って、そもそも何? 家を建てる為にかかるお金、例えば材料費や設備費などは目に見えますが、諸費用と言われるものは比較的目に見えない物が多いです 例えば登記費用、税金、保証料など(詳しくは後述します)、これらは形としては見えないものに支払うお金ですね ところが建築会社によっては本来本体工事(あるいは付帯工事)に含まれる、外構・庭工事やカーテン工事などまで諸費用に組み入れて、本体工事費用が一見安く見えるようにしているところがあります 本体費用だけに惹かれて建築会社を決めると、後でお金が足りな~い、なんてことにもなりかねないのでご注意を! 注文住宅の諸費用って、何があるの? 先にも書きましたが、諸費用は建築会社が自社に都合の良いように(本体工事が安く見える)、建物価格から抜いて組み込んでいる項目もあります。 外構・庭工事、カーテン工事は本来は本体工事に含むもので諸費用では無いのですが、一旦諸費用の項目として分類してみます 諸費用の分類の考え方としては 誰が仕事をして、誰にお金が発生するか で、諸費用の種類とおおよその金額を理解していくのがわかりやすいかと思います 工務店(建築会社)が見積もりで諸費用とするもの 【設計料】 【建築確認などの申請料】 【補助金申請などの手数料】 【地鎮祭】 【都市ガス・プロパンガス工事】地域によっては施主様直工事もあります 次の項目は本来は本体工事(あるいは付帯工事)に含まれるべき費用です 【外構・庭工事】 【カーテン工事】 司法書士、土地家屋調査士にかかる費用 【所有権移転登記費用】土地を購入される方 【抵当権設定費用】ローンを組む方 【敷地測量費】該当する方のみ 【建物表示登記】 【所有権保存登記】 【他もろもろ】細かすぎるので省きます なお、司法書士さんへ支払うお金には、報酬と税金(登録免許税)が合計して含まれています 不動産屋に支払う費用 【契約時の印紙代】 【契約時の振込手数料】 【仲介手数料】販売価格に含まれていない場合があるので注意 住宅ローンにかかる費用(銀行版) 【融資手数料】 【保証料】 【印紙代】 【振込手数料】支払いは3回ないし4回に分けるのが一般的です。都度発生します 税金系 【不動産取得税 土地・建物】1回のみ 【固定資産税 土地・建物】年々減りはしますが、毎年払います 【都市計画税】毎年払います 厳密にいうと印紙税などはこちらの税金に含まれますが、各々の項目に入れました 保険系 【火災保険】 【生命保険】ローンに関する保険で、団体信用生命保険(団信)ともいいます 【地震保険】任意です ライフライン系 お施主様が直接払う費用 【水道加入金】 【下水道の受益者負担金】加入金のようなものです 様々な申し込みに必要な費用 【発行手数料】住民票、全部事項証明書、所得証明書、印鑑証明など これらのために何度もお役所に行くことになります こんなものこそ簡素化してほしいですね お施主様が購入する、あるいは考えておいてほしい費用 【新規購入】家具、家電 【引っ越し費用】 【印紙代】売買契約時 【近隣挨拶】手土産など 【通信手続き】ネットや衛星放送 【自治会費】自治会によってまちまちです 結構高額なところもあります 【上棟時】※1 ※1 職人さんたちに配るお弁当やご祝儀です もちろん強制ではありませんし、義務でもありません 弊社ではお断りしていますが、是非に、と言われた時にはお受けしております (^^;) 注文住宅の諸費用って、ざっくりいくら? 諸費用の項目はざっとこんな感じです。 思ってたよりめちゃくちゃ多くないですか? 当然気になる所だと思うのですが 「ほんで、ナンボよ?」(笑) 実は個々のお客様の条件により、金額や内容は大きく変わります。 また、先にも触れましたが、本体工事費用に外構・庭工事などを入れない見積もり (諸費用に入っている) と、入れている見積もりでは同じ内容でも見た目の価格が全然違ってきますので注意してください 注文住宅にかかる諸費用を表にしてみました 個々のお客様のケースで大きく変わるため、正直金額を出すのは難しいです 弊社の場合として下記の条件で出しましたが、あくまで参考程度にしてください 彦根市で1000万円の土地を購入し、建築費用2500万円の家を建てると仮定しました 862万円!!! ちょっとびっくりの金額ですね 諸費用の一般的な目安として 土地代金・建築費用の合計の10%~12%前後が注文住宅の諸費用と言われています そこから導くと今回のケースでは土地建物で3500万のため、350万から420万円になります 10~12%と言われる諸費用には、引っ越し費用や家具家電など御施主様にて購入する物の費用は含まれていません。 それこそ、家具も家電も趣味嗜好が影響する物ですし、引っ越しも自分でどこまでするのかで金額が全然違うからです。 また、住宅建築に関係する諸費用には本来含めない、設計料や申請費、外構・庭工事が入ってしまっています。 だから、高額になるんですね。 ちょっとその部分だけ整理しましょう。 862万円と算出された諸費用から、本来は建物本体価格に入れる工務店の項目(外構・庭工事、カーテン工事、申請料)を引くと  862万-330万(工務店の項目)=532万円 532万円から、家具・家電を引くと  532万-180万=352万円 となります。 目安の金額の範囲に入りましたね。 これが一般的に言われている10~12%の諸費用の根拠です。 でも、実際には家具・家電も、大なり小なり発生する費用なので、ここでは諸費用に加えたままにし、532万円で計算を進めていきます。 注文住宅の諸費用・・・お金を生み出す工夫の余地はある 削れるところは削ろう 無茶な計画している訳ではないし、いったいどこが削れるのか? 申し訳ないのですが、、、そんなに削れる所がたくさんある訳ではありません やはり、お施主様自身の項目で絞ってみましょう となると、 後で買い足し出来るもの、もしくは買い直し出来る物 これが一番削りやすい所です。 わかりやすい所ですと家具や家電です。 新しい家具・家電は最小限にして、予算は180万円から130万円にしましょう。 その他の項目も、上棟の際のお祝いの見直しや、引っ越し費用の見直しで予算を70万円から50万円と削減しましょう こうすれば、施主様自身が使う費用としての諸費用額が、250万円から180万円へと70万の減額が出来ます。 今回はあくまで費用を削減したい時のテクニックです。 家具にしろ家電にしろ、何でもかんでも諦めろと言っている訳ではありません。 お気に入りのアンティーク家具、豊かに暮らす為の音響システムなど、あなたやあなたの家族にとって必要な物にはしっかりお金を使ってもらって結構です。 その時はここの予算を必要な分だけ上方修正して下さい。 優遇措置や補助金を利用する 税制優遇や補助金を説明する上で一番重要な事を先にお伝えしておきます 補助金・助成金及び税制優遇については、 これから予算を考えるうえでは、決して計算に入れないようにしてください。 頭の片隅にはしっかり置いて頂きたいのですが、予算に入れてしまうと痛い目にあう可能性があります。 後で説明させて頂きますが、この補助金ほど不確定要素満載の物はありません(笑)まず、補助金や優遇を計算に入れない形で、予算が成り立つように考えて頂き、計画が具体的に進んできたら、想定に入れていくと、破綻する事なくスムーズに計画が進んでいきます。 では説明していきましょう 弊社の場合、全棟長期優良住宅、耐震等級3を必ず取得していますので税金や保険で優遇措置が受けられます まず保険ですが、火災+地震で10万円ほど安くなると思われます またローンを組まれると年末で残っているローン額に対して0.7%を掛けた金額を13年間、所得税等から控除してくれます。 凡そになりますが3000万のローンの初年度で16万ほど還元されます。 また、長期優良住宅は一般的な住宅に比べ固定資産税(家のみ)の優遇措置が2年余分にあります。 ザックリ年間で12、3万の固定資産税がかかるのですが、長期優良住宅は5年間半額になります。 単年で約6万ほど助けてもらえる事になりますね。 次は、額も大きくなる補助金・助成金です。 知ってるのと知らないのでは大きな差が出てしまいますので、しっかり有効活用しましょう 長期優良住宅のような性能の高い家には、国、地方自治体(県や市)がそれぞれ補助金や助成金を出しています。 国からは、長期優良住宅やゼロエネルギー住宅には100~160万の補助があり、2022年からは子育て・若者世帯が新築・リフォームをする場合、内容に応じて60~100万の補助金を出しています。 県や市町村でもそれぞれ独自の補助金を出しておりますが、国庫を利用する補助金は併用出来ない事が多いのでご注意下さい。それぞれの税収を使った補助金の場合は併用が可能です。 滋賀県で建築するとして、上手に補助金が取得できると  国(長期優良住宅) 160万円  県(県産材利用)   40万円   ※ 2021年度実績です。年度が変われば内容も変わりますので確約出来る物ではありません。 合計200万前後の補助金の取得が可能です。ここにそれぞれの市町村の補助金もプラス出来ると大変大きな”助け”となりますね。 とはいえ、先にも言った通り、この補助金をアテにして予算を組む事は避けましょう。 国や県の補助金は予算が無くなれば終了とか、昨年まであったのに本年度から無くなったりしますので、それをアテにして予算を組むと跡で予算が足りないなど、大変な事になってしまいます。 まずは、補助金の部分は一旦考えずに、現状で成り立つよう計画を組みます。 今回触れていませんが、実際建築していく上で多少の追加増減工事があるのと、地盤改良工事などが発生する事があります。 補助金はこういった費用に充当するぐらいのイメージで考えて頂くのが良いかと思います。 補助金や助成金は毎年変わりますし、様々な種類のものがあります。 お願いする工務店の協力は必須ですし、工務店によっては対応しない(知らない)工務店もあります。 何もせずとも補助金は貰えるんだと人任せにせず、ご自身でも調べる事が大事です。 諸費用はすべて現金で用意しなければいけない? 先ほど、532万円の諸費用を基本で進めて行く事にしました。さてどれだけの削減となったでしょう 家具・家電、その他費用で70万円の減保険系で10万円の減 合計で80万円減額出来ました 諸費用は532万円-80万=452万となりました それでもこれだけのお金を現金で用意するのはなかなかのハードルですね 最終手段です。 実はこの諸費用の中にローンに組み込める物があります 最終的にはお支払い頂く事に変わりはありませんが、ローンに組み込めれば、現金で用意する必要はありませんよね。 ローンに組み込める費用は銀行によって多少違いがありますので確認は必要ですが、 保証料や登記費用もローンに組みこめます 今回の場合ですと司法書士などにかかる登記料50万円と、ローンの保証料65万円が対象になるので、 現金で用意するのは 452万-115万=337万 となります 注文住宅の諸費用 家を建てる以外に337万円の資金が必要とシュミレーションされました 冒頭に書いたように諸費用はお客様の状況により金額に違いが出てきます。 土地を購入しない方と購入の方ではその経費も変わりますし、更地でなく中古物件付ですと解体費用もかかります。 時には申請費用がたくさんかかる場合(開発申請や農地転用などする必要がある土地など)もあります。そういった時は自己資金で賄う状況になる事もあります。 そこまでになると計画を具体的に進めて行かないと金額は出て来ませんので、工務店としっかり確認しながら進めて行く必要があります。 そういったケースは別としまして、一戸建てを新規分譲地や、解体された更地で建てたいなと考え出した時には、少なくとも上記程度の諸費用が必要になるんだと想定して、自己資金は用意しておく方が良いでしょう。 今は銀行の金利もとても安く、ローンを組むにはとてもいいタイミングです ローンについての記事はこちらをどうぞ 住宅ローン、いくら借りられるか?など不安を感じる方に読んで欲しい 建てた家によってかかる光熱費が変わる事を知っておきましょう 光熱費の平均を出してみた 一戸建ての高性能の家と築27年の家 住宅にかかるお金以外、教育資金や生活防衛資金まで含めたライフプランを一緒に考えませんか? 資金計画でご不安のある方はまず一度、ぜひご相談ください 施工範囲以外の方のご相談も承っております 詳しくはこちら ↓ 家づくり無料個別相談会