2020.01.28

ブログで書いてみた。間取りの前に押さえるべきポイント

 

間取りを考えすぎて、頭でっかちになっていませんか?

 

「間取り100選!」とか「家事楽間取りのコツ」などと書かれた雑誌やブログはたくさんあって、世の中には情報が溢れています。それらを利用して、自分達の家をこんな間取りにしようと考える方が結構いらっしゃいます。

 

そういった雑誌の中には、実際に建てた方の家の間取りや、間取りを考える上でのポイント、有名建築家の建てた家の間取り等、私達が見ても参考になる事ばかりですので、それを参考にして自分の家をこうしたいと夢を描いて頂く事は悪い事ではありません。

 

むしろ積極的に見たり調べたりする事は、良い家づくりへの第一歩だと思います。

 

ただ、やりすぎの方が多いのも事実でして、、、

 

弊社でもファーストプランを出す前に必ずヒアリングを行うのですが、敷地の条件に全く合ってない、予算に合ってない、実はご自身の希望に合ってない、など合ってないづくしにもかかわらず、「こんな間取りにしたい」「こんなデザインにしたい」「ここに居心地の良い庭が欲しい」など、見た目やイメージ先行になって、家づくりにおいてもっと大切なことを見失っている方を見受けます。

 

そういう方に「これこれこういう理由でこの間取りは難しいんですよ」と説明すると「 ニュアンスだけでも汲み取ってもらって、、、」と仰るのですが、

 

「南東に広がる田園風景をリビングの一部に取り込んだ、眺めの良い明るいLDK」

 

なんて間取りが、三方を隣家で囲まれたキチキチの小さな分譲地では実現出来ません。

 

もちろん、そのニュアンスを出来るだけ汲み取った間取りでご提案したり、違った間取りであっても明るさや景色を作る工夫を別の場所で考えたりするのですが、もともと思い描いていたイメージが強すぎた為か、お客様のガッカリ感がめちゃくちゃ顔から伝わってきます。

 

「じゃぁ、希望を叶えるにはどうしたら良いの?」

 

ごもっとも!!

そこで間取りを考える前にやるべきポイントをブログにしてみました。

間取りの前に考えておきたいポイント

希望の間取りやデザインにしたいお気持ちはよくわかります。

雑誌やネットやブログで調べる事も大賛成です。

ですが、それと同時にやっておきたい事、いや、やらなきゃ後で困りますよってポイントがありますので、このブログではそれについて説明します。

まず下記の5つの項目をヒントに、ご夫婦、ご家族皆様で考えて見て下さい。

出来れば、パソコンに書き残すとか、ノートに書き残す事をお勧めします。

今暮らしている間取りで感じる不満やストレス5項目

1. 体で感じる

これはわかりやすいです。

例えば家が寒い。アパートの最上階だから夏暑い。
冬足が冷たい。
とにかく毎日触れる事・体感する事で感じる違和感です。

また、環境の変化で体調を壊すのもこれに当たります。
古い木造住宅の実家に住んでた方が結婚を期にアパート暮らしをし、クロス貼りの室内環境で体調を壊した(恐らくシックハウス症候群)なんていうのもこの部類になります。

2. 見た目に感じる

読んで字のごとくですね。少し曖昧な問題にはなりますが、今の暮らしの中で目から見えてくる問題点を挙げてみてください

今の家は景色が悪い。窓が無くて暗い。リビングからトイレが丸見え。建物が古くさい。お隣さんが丸見えでカーテンも開けられない。等々

3.動きで感じること

皆さんは日々の暮らしの中で様々なアクションをおこされています。
洗濯する、トイレに行く、ごはんを食べる、着替える、、、考え出すとキリが無いですが、とにかく、その動く事でストレスを感じる部分を列挙して下さい。

例えば

キッチンと洗濯が遠くて毎日大変。
洗濯機と干す所が遠くて毎日大変。
寝室が2階で毎日しんどい。
毎日子供の服を取りに2階まで上がるの大変。
廊下が狭くて動きにくい。
段差が多くて歩きずらい。
等々

4. 物理的な不満

もうこれは、現状ではどうしようもない点ですね。
1とも重なるかもしれませんが、あまり気にせず書き出してみてください。

例を挙げるとすると、

家が小さい。
部屋が足りない。
収納が少ない。
スタッドレスタイヤを片付ける場所が無い。
雨漏れがしてきた。
隣の音が聞こえる。

ってとこでしょうか

5. 日常感じる小さなストレス

これはとにかく何でも良いので、気になる点を書いて下さい。

問題点の洗い出しが重要ですから、何でも良いので感じてるストレスを書いてください。 

いつもお箸の片付け場所に困ってる。
ゴミの分別が大変で、キッチンに分けて捨てる場所がない。
おたま(レードルの事です)が取りにくい。
仕事のカバンを置く所が無い。
日曜日にゴロゴロするダンナが邪魔等々。

5つで表現しましたが、他にもあるかもしれませんし、重なっているような内容もありますが、そんな事は気にせず、ガンガン書いて下さいね。

間取りと密接な関係にある土地。重要視したい条件は何?

問題点が列挙出来たら次は、土地の事です。

間取りの事なのに土地なの?と思われる方もいらっしゃると思いますが、土地と間取りは密接した関係にあります。

希望の間取りに近づける為にも、土地の要望をまとめて下さい。

下記はあくまで検討して頂く為の参考として書いたものですので、ご自身にとって大事な点をこちらを参考にして書き出してみましょう。

すでに土地を譲り受けられた方や、すでに購入された方は飛ばして下さい。

1. 立地

駅から歩いて15分の範囲

スーパーが近くに欲しい

○○学区で

病院は車で10分

出来れば快速が止まる○○駅

災害の可能性(ハザードマップ等で確認)の低い土地

2. 地域性

小さくても良いから新規分譲地

古い在所で良いからとにかく大きな土地

町の行事が少なく、出来るだけ近隣お付き合いの無い地域

子供会など活気のある町

3. 近隣(周囲)

周囲に障害物のない日が降り注ぐ土地

幹線道路でない車や人の往来の少ない道路沿いの土地

旗竿地でも良いから、道路から家が見えないような土地

田園風景が広がる土地

いくつか、ポイントになりそうな事を列挙しましたが、他にもあるかもしれません。

書き出すだけ書き出しても要望を全て叶える土地がなかなか無いのも事実なので、出来れば順位付け(絶対外せない、我慢できるの優先順位)できるのが理想ですね。

「ゆったりとした間取りにしたい!」 予算は無視できません。

次に押さえておきたい点は予算です。これも間取りと関係あるの?って言われそうですが、もちろん大有りです (^^♪

間取りの要望を聞くと50坪になりそうな方の予算が2000万だと、とてもじゃないですが弊社では叶える事が出来ません。

大きくはなくても(小さくても)広く使える・広く見える工夫は出来ますし、無駄に大きく造るとデメリットも出てきます。

湯水がごとくお金があふれ出てくるようなお客様ならともかく、普通に暮らすお客様でしたら、年収や家族構成等考慮した上で、どれぐらい予算を当てられるのかある程度で良いので把握しておく事も大事なポイントです。

一番は銀行さんで事前審査を受けるのがベストですが、建築会社の図面と見積りが必要になります(銀行によって不要の場合もあります)

もちろん銀行や工務店の営業マンに相談すればすぐわかりますが、まだ工務店やどこで借りるのか全く決まってない方なら、先に知っておいた方が考えやすくなります。

むしろ人生設計にも影響してくる所ですから、FP(ファイナンシャルプランナー)さんの助言を受けるのも良いかもしれません。

では、本題です。

まず住宅を建てるには建てる資金の他にも様々な“お金”が必要になります。詳しくは次の機会に説明するとして、ザックリと言いますと税金・ローンの保証料・火災保険・引っ越し代などの諸経費と言われるものと、家具や家電の買い替えなんかもされるでしょうから、やはり300?500万は他にお金がかかると想定しておいてください。

次に実際にどれだけ借りられるのかですが、今回ローンを組む予定のあなたのご年収はいくらですか?

仮にあなたが、500万ほどのご年収(源泉徴収票に載ってる額です)のサラリーマンだとします。

多少銀行さんによって融資額の差はありますが、厳しい所で約5倍、ゆるめで7倍程度のローンが出来ると考えて下さい。

厳しい・緩いは様々な要件が絡んできますので、ご自身での判断は難しい所になりますから、そんな時は銀行に直接聞くか、工務店とすでに何らかの接点があれば、相談してみるのが一番だと思います。

話戻してこの方は2500万?3500万のローンが可能という事になりますね。

話をすすめていくと、土地・建物を合計すると足りないという事になることが多いのですが、その時は夫婦合算するとかできますが、ここまでの話になるともっと詳しい説明がいりますので、これはまたの機会で。

不満も書きそろえました。

土地の方向性も見えました。

ざっくりだけど予算もわかりました。

ここで初めて、工務店が登場です。

さぁ、いよいよ間取りです 

えっ、間取り考えてないけど!!!

その通りです。逆に言うと考える必要はありません。

何のために私達工務店がいるのかよーくお考え下さい。

上記の不満や希望を形にするのが私達の仕事です。

工務店は、見た目やデザインだけでなく、構造の強さから、仕上げの素材、暮らしやすさの提案など、毎日毎日その仕事に取り組み、お客様にとって一番はなんであるかを考えながら、日々学び・考え・施工しているのです。

本当に大変失礼な言い方になってしまうのですが、一般のお客様では考える事が出来ない、考えつかないようなご提案が出来るのが、私達工務店になります。

「それはわかるけど、さっきから問題点ばかりで、施主の希望が入ってないよね。 これで希望通りの間取りなんて出来るの?」ってお怒りのお言葉が聞こえてきそうですね。

では先に書いて下さった不満を裏返して下さい。それはつまりあなたの希望なんです。

見た目が悪い   ⇔ かっこいい家にしたい

暑い、寒い    ⇔ 断熱性能の高い家にすみたい

家が狭い     ⇔ 大きな家にすみたい

でも予算が無い  ⇔ 小さくても広く見せる工夫をした家

クロスの家は嫌だ ⇔ 土や木の自然素材で安心な家造り

日曜のダンナ   ⇔ 邪魔者を仕舞い込む書斎が欲しい

ね、全部裏返せば、あなたの希望になるでしょ?

とは言いましたが、、、もちろん、希望も書いてくださってかまいませんよ(苦笑)

希望の裏返しが問題の発見にもなりますし、弊社には「環境の事を考えて木の家に住みたい」と仰って来社下さるお客様もいらしゃいます。

こういった方の根底にはもちろん環境への配慮という問題意識をお持ちだからなのですが、木の温かさとか自然素材の心地よさを知っているから希望したいという方もいらっしゃいます。

また、今の暮らしに満足してる所は問題点目線からだと出て来ませんから、次の家造りでも継続したい所も書いて置ける方が良いですね。

まずは問題点を洗い出し、それから希望や継続していきたい点を書き足していきましょう。

たっっっくさんの事を書きました。

いや、これから問題点を洗い出す皆様はもっとたくさんの事を書きださなければなりませんので、大変だと思います。

ただ、良い家造りは良い間取りを考える事ではなく、良い間取りを導く為のプロセスが大事なのです。
一生に一度の家造りと考えて頂き、大変だと思いますが、家族やご自身の感じる問題点や希望をまとめて下さい。

上記の事がまとめられてから、工務店をネットで探したり、完成見学会やモデルハウスを見たりして、気に入った工務店に問題点をぶつけて下さい。

そして、その工務店と共に間取りを考えていくのが、良い間取り、良い家造りにつながる一番の近道だと思います。

間取りについてはこちらの記事もどうぞ

動線から考える間取りの作り方をブログに書いてみた


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