家事楽を実現する間取りとポイント5選
家事楽ポイント1 動線を吟味する 家の中で行きつ戻りつしない動線をつくろう …
毎日やらなければいけない「家事」
家事と一言で言っても、それこそ種類は無限にあります。
誰かがやらねばたちまち日常に支障をきたすのに、
どちらかというと地味で、やりたくないのが「家事」かもしれません。
それならば、誰がやっても楽して家事をやってしまおうということで、家事楽を実現するポイントを、工務店という家を建てる仕事から得た経験を元にお伝えしたいと思います。
まずは、家事楽の秘訣を以下にまとめました。 ↓ ↓ ↓
では、ひとつひとつ解説していきます!
行きつ戻りつの距離は歩数で言えば数歩、距離で言っても3、4メートルのことかもしれません。
ですが、それが毎日のこととなると小さなストレスの連続になりかねません。
せっかく家を建てるなら、小さなストレスでも排除したいですね。
以下は弊社で建てた、家事動線の参考プランです。
各画像下のキャプションにリンクがあります。
洗濯物を集める⇒洗濯する⇒干すあるいは乾燥機に入れる⇒取り入れる⇒畳む、片付ける
これが洗濯という家事を分解した行動です。
洗濯機から干す場所までの距離が短い。
片付ける場所が近く、ハンガーのままで収納できる。
これらが可能だと負担感は軽減できそうですね。
上の間取りでは洗う場所、干す場所(内と外)、片付ける場所(WICと洗面脱衣の棚)がほぼ隣接する間取りです。
こちらの間取りは乾燥機と室内干しがメインで、WICも併設した間取りです。
ランドリー関係をひとつの空間に納めました。
買い物をして帰って来て、荷物を家の中でいつ、どうやって手放すかを考える動線です。
荷物を片付けながら家に入れるのが理想ですね。
上の間取りは玄関からSICに入りそのままキッチンに抜けられます。
途中、土間収納やパントリーを通るので荷物を片付けながら移動出来ます。
こちらの間取りも玄関から土間収納を通り、キッチンへあるいはパントリーにつながります。
買い物動線でもう一つ大切なのが駐車場との関係です。
駐車場と玄関が離れていると、荷物を持って歩く距離が長くなります。
勝手口やウッドデッキなど、違うルートがあると大きな物や重い物を運びたい時に便利です。
そうは言ってもこれは家の配置や間取りに大きな影響を与えるので、優先順位が大切ですね。
上の家はカーポートが勝手口に直結しています。
家に入ると土間収納があり、少し行くとパントリーとキッチンです。
余談ですが高断熱住宅であっても断熱されていない部分を作るととても便利です。
上の家がまさしくそれなのですが、土間収納を外す形で断熱施工をしています。
すると、冬場など涼しいところに置いておきたい、例えばミカンやリンゴの保存にとても便利です。
食事の準備や後片付けをしながら洗濯機を回す、なんていうのは家事の基本ですね。
そんな同時進行の場合はそれぞれの作業の場所が近いのが理想ですね。
キッチンとランドリールームが廊下を挟んで真向かいにある間取りです。
こちらも室内干しがメインですので、キッチンに立ちながらの洗濯や物干しが同時進行しやすいプランです。
家事楽には実際に身体を動かす部分と、メンタルの部分があると思います。
毎日の家事を楽しく楽ちんにこなすためには、精神衛生も良好に保ちたいものですね。
こちらではそのコツをお伝えします。
家を建てるとなるとリビングを大きくしたいと思いますよね。
もちろんそれに反対する訳ではありませんが雨の日や外干しでは洗濯物が乾かない時期に、干す場所がないゆえにリビングに洗濯物がぶらぶらぶら下がっているのは見ていて気持ちの良いものではないですよね。
あらかじめ室内干しの場所を用意(考えておく)しておくことをおススメします。
2階にもトイレがあれば、もちろん便利です。
2階に寝室があればなおさら便利でしょう。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみましょう。
2階にトイレがあるということは、トイレ掃除が2か所になります。
トイレ自体の購入も2台分ですし、メンテナンスも2台分になります。
1階に寝室を配置する、あるいは将来1階で就寝できるような場所(小さな和室でも)があれば、若いうちは2階から降りて来てトイレを使うのはどうでしょうか?
スロップシンクはスペースに余裕があれば、と言う枕詞が付くのですが、ご家庭によってはとても便利だと思います。
下洗いしたいような洗濯物(作業着やユニフォーム、介護で出る汚れ物)が日常的にあるのであれば要検討です。
子供の上履きなどにも便利に使えますが、こちらは一時のことかもしれませんね。
窓と家事楽ってどんな関係があるの?と思われる方も多そうですね。
必要な窓(景観を楽しむ、採光、日射取得、意匠など)はもちろん必要なのですが、やたらと窓を増やすのはどうかと思います。
窓が増えれば増えるだけ掃除個所も増えますし、何より窓は価格が高いので初期費用を抑えるためにも採用する窓は吟味することをおススメします。
でも、必要な窓(景観を楽しむ、採光、日射取得、意匠など)は削ってはいけませんよ!
関連して網戸もどの窓に設置するのか吟味することで、費用もお掃除の手間も省けますね。
究極の家事楽は、家事の必要がないことですよね。
ならば物理的に掃除の範囲を狭く出来るように、出来るだけコンパクトな家にするのがいいですよね。
ここで誤解のないように大きな声でお伝えしたいのが以下です ↓ ↓ ↓
小さい家 イコール チープな家では決してありません。
小さい家 イコール 狭い家でもありません。
この辺りの極意は別記事を読んで頂くとして、
小さな家のメリットは掃除の範囲が狭くて済むだけでなく、
建てる建築費用も、住めば必ず必要になるメンテナンスも少なくて済みますね。
収納は多ければ多い方が良いと考える人がいます。
が、本当にそうでしょうか?
前章でも書いた通り、家はコンパクトに作った方が良いという考えに立つと収納のスペースも吟味したいものです。
何より人は入れられるスペースがあると、そこがいっぱいになるまで物を持つ傾向にあります。
物が多いと管理も大変ですし、いざという時に探し回る羽目になりかねません。
収納は何を入れるのかあらかじめ想定しながら、大きさも決めていきましょう。
バスタオルは脱衣室にあると便利ですし、肌着やパジャマもあった方がうれしいかもしれません。
また、洗濯機の近くには洗剤類のストックを置いておきたいですね。
掃除機もすぐ使える状態(充電済み)で、すぐ手に取れる場所に欲しい。
普段着のアウターや、幼稚園のお帽子などは玄関近くに直したいですね。
こんな風に生活をシュミレーションしつつ、どこに何をどれくらい収納するのかを具体化しましょう。
生活をシュミレーションしつつ、どこに何を収納するのかを具体化する際にあまりにピッタリとした収納容量にしてしまうのは要注意です。
クローゼットでも引き出しでも、スペースに余裕があった方が全体を見渡せ、片付けたり選んだりがスムーズに行えます。
大は小を兼ねる、ということわざがありますが、収納の奥行サイズに関してはあまり当てはまりません。
収納棚の幅は持っている物の量で決められますが、奥行は収納する物の奥行で考えないと無駄なスペースが生まれます。
以下のサイズは物による奥行の参考サイズです。
建具などの目隠しはみていません。
目隠しが必要な場合はその分の奥行も見ておきましょう。
本棚:250mm 収めたい本、雑誌などの奥行を参考にする
パントリー棚:350mm 市販のかごなどで仕分けることが多いため、そのサイズを参考にする
衣類用パイプ:450mmあるいは600mm (棚の下にパイプが付いているタイプ)
布団:750mm
衣装ケース(引き出し):450mmや550mm、700mmなど
このように物によって必要なサイズは変わるので、組み合わせなどもよく吟味したいところです。
家の断熱性能が高いとお掃除の頻度や手間も省けます。
どういうこと??ですよね。
断熱性能の仕組みは置いといて、断熱性能が高い家とは何か?を定義すると
少しの光熱費で家中が暖かく、涼しい家のことです。(ものすごく大雑把ですが)
そうすると、
例えば寒い冬に寒いお風呂を掃除をするのは億劫ではありませんか?
それが家中が暖かいとお風呂も暖かい訳で、掃除が億劫ではなくなります。
また、家中結露することも少なくなりカビの発生も抑えられます。(条件が揃えば発生します)
また、空間を細かく仕切ることが少なかったりもするので、エアコン台数が少なくなります。(例:冬用1台、夏用1台)
少なくなると掃除台数も減りますし、設置費用も少なくて済みます。
夜も暖かいので毛布を使うことがなくなります。
年中同じ寝具(羽毛肌掛け程度)で就寝されている人も多くいます。
そうすると、季節による寝具の入れ替えが無くなり、そもそも毛布などの収納場所も必要なくなります。
世の中には便利なものが溢れています。
是非、日々の家事には使いこなして家事楽を実現しましょう。
お掃除ロボに関しては導入が決まっているのなら、設置場所に電源を用意しておきましょう。
ゴミステーション付きのタイプですとサイズも大きくなるので、設置場所にもご注意。
乾燥機については意見が分かれるところでしょうが、筆者のおススメはガス乾燥機一択です。
理由は乾燥機能の性能とお手入れのしやすさ。
電気式乾燥機については国産でヒートポンプ式がないため、電気代が高くなります。
ドラム式洗濯機の乾燥機能は悪くないのですが、どうしても洗濯機内部にゴミが溜まりメンテナンスが必要です。
使用頻度が高く、洗濯物を干す前に仕分けできる方にはガス乾燥機をおススメします。
時間がなく干す必要のない衣類に絞り込める方は、ドラム式洗濯機で乾燥まで一気に仕上げるのもアリだと思います。(根本的なメンテナンスはエアコンクリーニング同様、業者に依頼できます)
ガスの場合は新築後の導入は難しいので、計画に入れましょう。
下の記事はガス乾燥機乾太君についての記事です。
予算と条件が許すのであれば、巾600のフロントオープンをおススメします。
現状(2025年1月)ですとミーレやボッシュなどの海外製になります。
幅600ですと鍋などの調理器具がかなり入り、人数にもよりますが1日1回の運転で済みそうです。
またフロントオープンですと洗いかごが引き出し式のため、洗いたいものを時間差で入れていくのが容易です。
現在使っていない方は必要ないと言われがちなのですが、使いだすとほとんどの方が便利で使い続けます。
ビルトイン食洗器はぜひ導入を検討されて、出来れば前述の幅600をおススメしたいところです。
レンジフードもこまめにお手入れすると汚れも溜まりにくいと思うのですが、こまめにしづらい位置や設置がレンジフードです。
そういう理由からも予算が許すのであれば自動洗浄付きレンジフードはおススメです。
ただ、採用に至らなかった場合はお手入れは食洗器で洗うという方法があります。(筆者経験済み)
手では触れないような高温で洗浄するので、きれいになります。(自己責任でお願いします)
そのためには取り外しやすい構造か、食洗器に入る部品サイズか確認しておきたいですね。
筆者自身もお客様も導入例がないので何とも、ではあるのですがWEB上の口コミを見る限りでは悪くなさそうです。
お掃除ロボにも言えることですが、究極手仕事にかなうものはないと思います。
ただ、毎日しておくと気持ちよく暮らせる家事を機械にやってもらうと考えると、お掃除ロボもお風呂の自動洗浄もアリだと思う訳です。
週に一度、あるいは月に一度、ご自分が納得される頻度で手を使ってお掃除してくださいね。
お掃除ロボを導入するなら充電ステーションの電源が必要。
スティッククリーナーを使うなら収納状態で充電したい。
これからますます普及するであろうスマートスピーカー用には床からも電源が取れると便利かもしれない。
余談ですが、床からの電源はテーブルランプやフロアランプにも必須です!
新たに自動家電調理器などキッチン廻りで使う家電は増える傾向にあるので、設置するスペースと電源の準備をお忘れなく。
冒頭にも書きましたが家事楽の秘訣は以下です!
この中にはネット情報などでよく見聞きされているものもあると思います。
ご自分で間取り図などを見ながら、考えられる部分もたくさんあります。
でも、高断熱の家にすると掃除は楽になる、という項目などは高断熱の家が一般の施主様では内容がわかりません。
是非建築会社を選ぶ際には、金額やデザインだけではなく、暑さ寒さや光熱費などの暮らしやすさについても十分に説明を受けてください。
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家づくりにはたくさんの落とし穴があります。
建てる時には教えてくれないこともあります。
誰だって出来るだけ安く家を建てたい
それは当たり前のこと
でも、建てる時の費用を安くするための選択が
光熱費のやたらかかる、寒くて暑い家になってしまったら?
10年後、20年後に何百万とコストのかかる家になっていたら?
残念ながらそういったことが実際にあるのです
建てる前に知ってたら、こうしていたのに!
という事も少なくありません。
そんな悔しい思いをする人を一人でも減らしたくて
「家を建ててからかかるお金の話知っていますか」
という小冊子を作りました。
これを読んだうえで、
納得の家づくりをして頂きたいと、心から願っています。
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