リフォームで断熱、冬暖かく夏涼しくは出来るのか

2021.10.26

リフォームで断熱

リフォームで何が出来るのか

巣ごもりしていると家の中のいろんなものがよく見えます。

「トイレが古くなったわね~」

「最近のキッチン、使いやすそうでいいわね~」

また、在宅勤務が奨励され、実際に家で仕事する機会が増えると

「仕事できるスペースが欲しいな~」

なんてことも考えます

外食や旅行などのお出かけを制限されていたせいで、ちょっとしたお金はあります

そこで目にするのが、水回りの設備交換や、クロスの貼り換え、外壁の塗り替えなどCMやチラシなどでもよく目にするリフォーム工事です

そうした美しくすることを主体としたリフォーム工事(美装工事)が悪い訳ではありませんが、どうせリフォームを思い立ったならばもう少し深く考えてみませんか?

あとで、「そんなことも出来たの~!!」

と、後悔することが無いようなリフォーム工事をしてほしい、という思いからこの記事を書くことにしました

リフォームは快適に暮らすため。では快適とは?

リフォームで快適

リフォームしたいと思う心理は、美しく快適に暮らしたいと願うからですよね

その快適さをもう少し分析してみませんか

快適の中には内装の美しさや設備などの使いやすさと並んで、住宅内の環境(暑さ寒さ)などもあります

ところが20年30年と同じ家に暮らし続けていると、この暑さ寒さに鈍感になります

言い換えると、「こんなもの」と思い込んでしまうのです

車や家電商品は買い替えるごとに新しい機能や性能、あるいは省エネの技術に触れますね

ところが住宅は買い替えを経験しないものですから、建てた時代の技術が住む人にとっての当たり前なんですね

車やエアコンは性能を気にするのに、住宅の性能には気がまわらない

なので、暑い寒いと思ったら設備を増強するか、通販などでよく売っている

着るこたつ

あなただけの冷風扇

が売れるわけですね

これらの商品を否定するつもりは全然ないのですが、これらに頼らなくてもよい生活を手にすることが、リフォームによって可能であることは知っておいても損はないですよね

また、人生100年時代の今はいかに健康で長生きできるか、も大いに関心があるところです

これも実は住宅環境と密接に関係あるところで、こちらの視点も交えて書いてみたいと思います

断熱性能をリフォームする

住宅内の性能で暑さ寒さは断熱気密によって左右されます

こちらでは窓を断熱する方法と、加えて家の天井、壁、床で断熱する方法を紹介します

1・暑さ寒さを解消する

YKKapより
LIXILより

熱の出入りは実は窓が一番大きく、窓の改修をするだけでも夏の暑さ、冬の寒さはだいぶん和らぎます

今現在の窓が1枚(単層)ガラスのアルミサッシなどの場合にはぜひ検討したい工事です

主な方法としては

今ある窓の内側に、内窓をつける (各メーカのリンクを貼りました)

YKKではプラマードU(カタログ)

また、今ある窓を外して、窓を取り換える

という方法もあります。

出来ればリビングだけでなくお風呂、脱衣所、トイレなど全て内窓(あるいは取り替え)にすると家じゅうの室温の改善が期待できます

これらの工事は壁を壊すことなく改修できるので、割とお手軽、短時間で出来ます

2・暑さ寒さを解消する

内窓の設置によってかなり暑さ寒さは軽減されるとはいえ、根本的な解決方法ではありません

人が暑さ寒さを感じる理由をご存じですか

快適空間研究所様よりお借りしました
快適空間研究所様よりお借りしました

内窓を施工することで上の表の1に当たる空気の温度については改善出来ます

ところが同じ室温であっても、壁や天井、床が室温ほど暖かくなっていないと人は寒く感じます(表4)

これは床下や壁、天井に適切に断熱材を入れることでかなり解消できます

適切に断熱材を入れるについて補足

これは断熱材の種類を選ぶのではなく、それぞれの断熱材の適切な厚みを確保します

また、厚みが確保できても施工の良し悪しで効果が台無しになるので、施工も大切です

20年30年前の家は断熱材が入っていたとしても厚みが足りなかったり、そもそも施工が不十分で断熱材の役目をはたしていないことが多いものです

これは施工不良というのではなく、冒頭でお話しした20年30年経った多くの家の新築時の時代の性能なのです

床に関しては床暖房という設備を導入することで暖かさを得ることも出来ますが、優先順位としては断熱材を入れる方をお勧めしています

断熱材の適切な施工によりエアコンなどの冷暖房効率が上がりますし、結果ランニングコスト(光熱費)が安く済みます

この方法は壁をめくったりの工程が必要なので、ある程度の工事規模になります

リフォームで隙間風を解消する

冬の隙間風、いやですね(表3)

隙間風はどこから来るかというと、主なところでドアや窓の隙間、壁や床の隙間、あとコンセントボックスなどですね

実はこれも断熱改修や窓の改修で軽減できることが多いです

断熱材を施工するとともに、気密処理もしてもらってください

そうすることで壁や床の隙間、コンセントボックスなどからの隙間風が解消します

とはいえ、昭和の建物で、土壁と柱の間に隙間が空いているようなおうちは難しいかもしれませんね(私の育った家~)

湿気はどうリフォームする?

表2にある湿度について少しだけ

湿度は実に奥の深い問題です

これからの住宅性能の大事な柱になることが予想されます

とはいえ今はリフォームのお話ですね

普段生活していて湿度が気になるのは湿度過多の夏と、湿度過少なのに結露する冬でしょうか

解決策として、リフォームする際には換気扇を導入してください

そして、梅雨時、夏、冬は窓を閉めましょう

梅雨時に窓を開けても、外の湿気が家の中に入るだけです

暑い夏に窓を開けても湿気の多い暑い空気が家の中に入るだけです(もちろん避暑地は除きます!)

花粉やPM2.5のない春のほんの一瞬、9月10月ごろの秋には窓を開けて自然の空気を大いに楽しみましょう

内装材にはぜひ無垢の床材、塗り壁などの自然素材を採用してください

これらの素材は素材自体が空気中の水分を吸ったり吐いたりと調整してくれます

これについては下のブログをぜひ参考にしてください

そして冬の暖房器具に気を付けてください

石油ファンヒーターやガスファンヒーターは燃焼時に水蒸気を発生します

出来ればエアコンでの暖房をおススメします

最後に大事なのは温度湿度を測る事です

夏も冬も快適な温度湿度になるように温湿度計を活用しましょう

もう一つ大事な、地震に備える

こちらは出来ないことは無いのですが、リフォームではかなり難しい(高額になる)です

今の家の設計図がきちんと残っていて、その通りに建てられていればどこに補強が必要かわかるのでいいのですが、ほとんどの場合は解体してみないとわかりません

場合によっては建て替えをおススメすることにもなります

耐震改修は本格的にするとなると、ほとんど骨組みだけを残して解体します

その上で耐震補強する、制震装置を入れるなどを行います

弊社の場合は断熱改修とともに、出来る部分を補強するというスタンスでやっています

リフォームで暮らしやすい間取りを作る

お子さんが小さい頃に建てられた家の場合、多くは主寝室が2階にあります

弊社にリフォームのご相談に来られる方の多くが

寝室を1階にしたい

1階で暮らしを完結させたい

とおっしゃいます

年を取ってからの2階への上り下りは安全面からも心配ですから、1階で暮らしが完結するのはおススメです

リフォームで主寝室を1階に持ってくるならば

主寝室を移動すると共に、衣類なども1階に収納したいものです

そうなると1階のレイアウトを変更して、間取りを配置し直さないといけません

その際も取り外せない柱、壁があるのでそこは依頼先に判断してもらってプランしてもらいましょう

いつ来るかわからないお客様用の和室があったり、通るためだけの廊下がある場合は室内に取り込んだプランにするといいでしょう

リフォームで1階を大きなワンルームの考え方で作る

あまり大きな家では現実的ではありませんが、1階の床面積が20坪程度であればぜひおススメしたい考えです

どういうことかと言いますと、断熱気密改修された家はある程度室温は一定になります

もちろん寝室には扉が付くのでしょうが、出来れば普段は開け放しにしておいて欲しい

そしてワンルームの考えですから廊下はありません

主要な生活スペースからダイレクトにWCや脱衣室に入れます

そうするとどうなるか

夏や冬の冷暖房が効率よく1階に全体に回ってくれて、どこに移動しても温度差を感じずに済みます(2階を改修しない場合は2階からの冷気止めは必要です)

今までの局所冷暖房と比べると光熱費がもったいなく感じますが、断熱気密改修されていればそんなに光熱費がかかるものでもありません

また、最近のエアコンは省エネ性能に優れていて電気代はとても安くなっています

リフォームした家で1日中過ごすのであれば、エアコンは切らずに24時間つけておいて欲しい

室温を上げる、下げる時に一番エネルギーを使いますから、いちいち消す方が光熱費がかかります

断熱材にくるまれた家であれば、一度設定温度になった室温は外気の影響を受けにくいのです

そんなリフォームをどこに依頼するのか

ここまで読んで下さってどんなリフォームをしたいか、おぼろげながらでも見えてきたでしょうか

性能面での不満を感じない家にお住まいならば、純粋に美装工事で十分です

そんな場合には大手量販店、家電量販店、リフォーム専門店でも対応可能でしょう

もちろん建築先のハウスメーカー、工務店でも出来ます

断熱気密改修や間取り変更の場合はやはり施工実績があるかが大切だと思います

そう考えると大手量販店、家電量販店、一部のリフォーム専門店は実績が少ない、あるいは無いかもと思います(違っていたらすいません!!)

こちらは施工実績のあるハウスメーカーや工務店に依頼するのがベターだと思います

リフォームについてのまとめ

テレビで流れるリフォームのCMを見たりすると、キッチンを新しくする、など目に見えてわかりやすいリフォームに心惹かれますね

でも、これから長い年月を暮らしていく家ならば、美装以外にも「快適さ」は大切です

快適とは暑さ寒さを解消し安全に暮らせること

そのためにはなるべくひとつながりな空間になる間取りを作ること

終の棲家とするためには1階で生活が完結するようにすること

ぜひ、この視点を忘れずにリフォームの計画を進めてほしいと思います

また、もしこれから家を建てようと考えている方がこれを読んでいるなら

新築時に断熱気密はしっかり、その時点で十分(すぎるほど)な性能を確保してください

なぜならばその性能は5年後10年後には十分とは言えないレベルになっているかもしれないのです

耐震も必ず等級3を取ってください

それで予算が上がったとしても、後々20年後を考えたら安いものです

10年後に設備の入れ替えをするのはたやすいことです

でも、10年後にやっぱり寒いからと断熱工事をするのは費用がとても掛かります

ぜひ、先を見据えた家づくりをして頂きたいと願っています

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