滋賀の工務店が国産無垢の床材をまじめに推すブログ
住宅の床材についての基本の知識はまずこちらから そもそも論ですが、皆さんは無垢の床材を正しく理解…
本物の木を使った家に住みたいな、あるいは家具が欲しいと思っている人が、本物の木に出会えるように「無垢の木」について書いてみたいと思います。
「無垢の木ってどんな木ですか?」こんな質問が普通にYahoo!知恵袋に投稿されています。
また、「チェリー」「ウオールナット」は樹種ではなく色の名前だと思っていた、とは本当に聞いた話です。
先にネタばらしをすると、無垢という種類の木はありませんよ~
訂正:ムクノキ 椋 存在してました~ こちら
無垢をググってみると、仏教用語で煩悩から離れて、けがれが無いこと。
他には潔白で純真なこと、とあります。
他にも検索結果には無垢木材の特徴とか、無垢フローリングなどの言葉も見えます。
どうやら無垢という言葉は木材にもよく使われるようですね
だから無垢という種類の木があると思う人がいるのでしょうね
無垢の木材とは自然の木からとれる板、建築で言えば柱や床材などのことを総称して言います
なので建築にしろ家具にしろ、何の木の無垢材(樹種)を使っているかがさまざまにあります
冒頭で触れました「チェリー」や「ウオールナット」はこの樹種にあたるものです。
じゃ、なぜわざわざ無垢床材とか、無垢材の家具という言葉があるのでしょうか
実は一見無垢の木に見える、でもそうじゃないものがあるんです
床材で言えばそういったものを総称して「複合フローリング」と呼びます
次の章で詳しく見ていきましょう
上の写真の床材、どちらもメープルという樹種です
どこが違うのでしょう?
Aは厚みが15ミリある床材で、その厚み全てがメープルからできています
Bは厚みが12ミリある床材で、その厚みのうち1ミリがメープルでできています(下図参照)
こういった板を突き板と呼びます
通常突き板の表面の材の厚み(この場合はメープル)は0.5ミリ前後で仕上げられます
実は突き板の中には表面の本物の木の部分が比較的厚い(数ミリ)ものもあり、挽き板と呼ばれたりするようです
Aの画像は弊社施工例です
Bの画像はパナソニック様からお借りしました
断面図はikuta様からお借りしました
上の写真の床材、どちらも杉という樹種です
さて、何が違うかわかりますか?
Aは弊社施工例、15ミリ厚の杉板です
先ほどまでご紹介した突き板は表面に本物の木が使われていました
が、Bの画像は印刷されたシートが表面に使われています
こういった板をシート貼りと呼びます
Bの画像はパナソニック様からお借りしました
ここまで見てきた無垢床材以外の物を総称して「複合フローリング」と呼びます
ここまで見てきた床材は写真で見ると、どれが無垢床材でどれが違うのか正直分かりません
そこでこちらでは無垢床材や突き板、シート貼りについて違いやメリット、デメリットを簡単な表で比較してみたいと思います
針葉樹無垢床 | 広葉樹無垢床 | 複合シート貼り | 複合突板(挽板) | |
柔らかさ(足触り) | ◎ | 〇 | ✕ | ✕ |
傷に強い | ✕ | 〇 | 〇 | 〇 |
傷が目立たない | △ | 〇 | ✕ | △ |
疲れにくい | ◎ | 〇 | ✕ | △ |
防水性能がある | ✕ | ✕ | ◎ | ◎ |
毎日のメンテナンスが容易 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
数十年後のメンテナンスが容易 | 〇 | 〇 | ✕ | ✕ |
価格(高中安) | 中 | 高 | 安~中 | 中~高 |
各項目とも、もう少し補足説明が必要かと思います
以下の章でさらに詳しく見ていきましょう
前の章で杉のプリントシート貼りの床材を先ほど見ていただきました
驚くほどそっくりで、画像では専門家でも本物かどうかの判断はつきません
ただ、印刷技術がどんなに発達してもシート貼りと、それ以外の床材で差が出るのはここだと思います
柔らかいという事は傷がつきやすいが疲れない床材という事です
無垢床材でも樹種によって柔らかさが全然違います
針葉樹(杉、桧、パインなど)は柔らかく、広葉樹(オーク、ウオールナット、メープルなど)は硬い性質があります
針葉樹の杉やヒノキは傷がつきやすく、広葉樹であるオークなどは比較的傷がつきにくい
という事ですね
杉や桧の無垢床材は確かに傷はつきやすいのですが、足触りは柔らかく温かみもあるので冬でもヒヤッとはしませんし、梅雨時や夏にべたべたする、暑苦しいという事もありません
余談になりますが、針葉樹は特有の良い香りが家中に漂います (^^♪
一方、複合フローリングは表面加工により硬さは違うものの、基材の合板があるため無垢床材よりさらに硬く傷はつきにくく、硬いがゆえに疲れやすい床材と言えるでしょう
見た目の問題は傷の深さとその後の変化にあると思います
無垢床材は仮に深めの傷がついたとしても、見えているのは本来の材料のままです
傷は年月とともに馴染んでいきますから目立たなくなります。(経年変化という)
また、無垢材は水分と熱を加えることによって傷自体の修復もある程度は可能です
一方、複合フローリングはいったん深く傷がつき、基材の合板まで達してしまうと表面とは素材の違う合板が見えることになります
またその傷は年月とともに薄く張られた表面がめくれてきたりするため、目立ってしまいます。(経年劣化と言う)
毎日のお掃除については複合フローリングであれば掃除機、クイックルワイパー系、〇スキン系等などすべて使えると思います。
一方毎日のお掃除が大変と思われがちな無垢の床材ですが、基本は複合フローリングと同じです
ただ油分を多く含んだ〇スキンなどはシミになる恐れもあり、おススメできません
クイックルワイパーなどは微量の油分がかえって床に潤いを与えるのでおススメしています
明らかな汚れが付いた場合、複合フローリングは表面に何らかの加工がしてあるので、水拭きや洗剤拭きで比較的落としやすいと思います
無垢床材の場合、明らかな汚れが付いたらとにかく早めに拭き取ることが一番です
それでも無垢床材の場合は水滴の輪じみや、お掃除洗剤などで変色の恐れがあります
そんな時にも無垢床材は奥の手があります
シミが気になる場合、その部分にサンドペーパーなどをかけて削り取ってしまいます
そのあと、もともと塗ってあったオイル塗装などを施しておくと、最初は色が違っていてもそのうちに馴染んできます
無垢床材の表面の仕上げ方法としては、無塗装、オイルなどの木材の内部に浸透して保護する仕上げと、ウレタン塗装などのコーティング系塗装のように表面に硬い塗膜を形成する仕上げがあります
ウレタン塗装にすると複合フローリング並みにお手入れは楽になるかと思いますが、後で触れますが無垢材本来の木の肌触りを大きく損ねてしまいますので基本はおススメしていません
突き板(挽板)でも表面の加工(塗装)が本来の木の持つ風合いを損ねなければ、足触りは無垢床材と変わらないと思います
無垢の床材のオイル系保護材やメンテナンスについてはこちらの記事も参考にしてください
皆さんが一般に持っていらっしゃるイメージは
無垢床材は高い!
複合フローリングは偽物なんだし安いでしょ~
なのですが、なかなかそうとも言えません
無垢床材は樹種や巾、厚みによって価格は大きく違ってきます
複合フローリングもしかりで、もちろん安い製品もありますが、高いものも沢山あります
無垢床材より高い複合フローリングは沢山存在するので、思い込みで決めるのではなく、きちんと確認した方がいいでしょう
また、無垢床材の中でも国産の杉やヒノキは比較的リーズナブルで、弊社ではよく使っています
無垢材でよく言われるのが「狂う」です。
湿気を吸ったり吐いたりする調湿効果があるため、乾燥する冬場には床の木と木の間に隙間が出来たりもします
ただ建築材料に加工される前に十分に乾燥された材料なら、目を覆うようなひどい状態になることはあり得ませんが、無垢材の特徴と捉える気持ちは大切だと思います
合板を基材とする複合フローリングにはこうしたことはありません
さてここまでいろいろと書いてみたり比較してみたりしましたが、何を選ぶとよいのでしょうか?
私がなんとなく杉や桧の無垢床材を推してるな~、と思われた方もいらっしゃると思います
それは正解です。実際そう思っています。
突き板でも無垢床材の雰囲気は味わえるかもしれませんが、柔らかさや香りは杉やヒノキでないと味わうことは出来ません
経年劣化ではなく経年変化、もっと言うと年月とともに育つのが無垢床材です
ですが、杉や桧の床材が万人に向いているとは決して思ってはいません
そこでちょっと整理してみました
無垢床材はやめておきましょう
どうしても表面がけば立ってくるのでおススメできません
表面を加工された複合フローリングをおススメします
無垢床材が水拭きが出来ないわけではありません
たまに固く絞った雑巾などで拭くことは問題ありません(筆者は水拭きお掃除ロボで掃除しています)
これはもう個人の好みなので私がとやかく言うところではありませんね
広葉樹独特の色味や雰囲気は素敵ですね
ただ、広葉樹の無垢床材は比較的高価なので、予算によっては複合フローリングもアリだと思います
これももう個人の好みなので、複合フローリングをおススメします
無垢床材ですると高価格になるヘリンボーン柄や、変わった色合いも複合フローリングならば自在です
住まいはデザインだ!という方にはとても楽しい床材です
インディゴブルーの木目柄です!
硬くて重いものを落としたりしたらどんな床材でも傷はつきます
注意深く丁寧に暮らすことを前提として
広葉樹の無垢床材か突き板をおススメします
ただしこの場合の突き板は、表面の本物の木の部分がなるべく厚いものを選びましょう
通常の突き板やシート貼りは表面が薄すぎて、傷に対するリスクが高いと思うからです
木を使った床や家具には無垢の木を使ったものと、そうでないものがあることはお判りいただけたでしょうか
弊社では杉や桧の床材の良さをこれからも発信していきたいなと思いますが、好みや予算に合わせてご自分に合った素材を選んでいただければと思います。
無垢床材についてのブログはこちらもどうぞ
・・・・・見学会のご案内・・・・・
日時:12月15日(日) 9時~17時
場所:滋賀県竜王町
1日限定の平屋の完成見学会となります。
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お申込み頂いた方には詳細をお送りします。
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使い捨てではない家にしたからこそ、安心して暮らせる終の棲家と言えます。
造作で造ったキッチンカウンターにはアクセントの板壁を貼って空間に彩りを添えました。
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日時:12月15日(日) 9時~17時
場所:滋賀県竜王町
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