住宅内での死亡原因のほとんどはヒートショックが原因といわれています。(統計では年間16000人)家族が健康に暮らすためには、家中が同じ環境(室温)である事と「夏涼しく、冬暖かく過ごせる」ことがとても重要になります。そのためには、高い断熱・気密性能と適切な冷暖房・換気計画が必要となります。断熱・気密性能が低いままで能力の大きな冷房・暖房機器を取り付けてもエネルギー消費が大きくなり、ただお金がかかるだけです。夏涼しく冬暖かい快適な家にするためには、高い断熱・気密性能と環境(気候や日照)も含めた家全体のバランスを考えた計画が必要となります。長く健康に住み続けていただける室内環境と、無理なく暮らせる小さなコスト(イニシャル・ランニングコスト)を実現させる事が快適に暮らしていける家づくりのポイントの一つです。
快適な暮らしのための省エネ性能
2025年に義務化される断熱等級4(地域区分5・6の滋賀県ではUA値0.87、ηAC値3.0)、また2030年に義務化が予定されている等級5(滋賀県ではUA値0.6、ηAC値3.0)を満たせば、表向きは「省エネだ!」ということになりますが、実は期待するほどの省エネ効果はなく、小さなコストで「冬暖かく、夏涼しい」家にはならないとマルトは考えます。冬や夏の冷暖房効率を考え、マルトでは断熱性能はUA値0.5以下を最低ラインとしています。しかし断熱性能だけで家中を満遍なく心地よい空間にすることは出来ません。空調や換気方式も重要ですが、そもそもの家の気密性能(家の隙間)が低ければ、どれだけ良い冷暖房機器を入れても意味はありません。そのためマルトでは求めるC値を最低でも1.0以下とし原則全棟気密測定を行います。これを実現するためには素材と施工技術がとても重要になります。このように省エネ性能を上げるには、断熱性能・気密性能を上げる事が大前提であり、その上でその性能にあった設備機器・方式の選定をする事が大切です。そうすればランニングコストが安くなり、エネルギーを使わない暮らしは環境への負荷を減らす事も出来ます。結果、住む人の健康やヒートショックによる突然の死から守れるという事につながります。何代にも渡り長く生活していただく為にはこの省エネ性能は外せないポイントであり、これからの家づくりにおいては必須の項目となってきます。
断熱等級について地域区分とは各地域ごとの気候に合わせて基準が分けられているものです。例えば地域区分2の札幌市で2030年義務化予定の断熱等級5の家にするにはUA値を0.40にする必要があります。また、民間の基準である※HEAT20G2にしようと思うと、地域区分5の滋賀県彦根市ではUA値を0.34にする必要があり、地域区分6の滋賀県近江八幡市では0.46で良いというように基準値が変わります。
※2020 年を見据えた住宅の高断熱化技術検討委員会(HEAT20)策定の基準
UA 値とは:外皮平均熱貫流率(W/㎡K)の事。
住宅室内の床、外壁、天井や開口部などを介して外部へ逃げる熱量(熱損失)を外皮(建物を箱と見たてた場合の外側になる部分全部の事)全体の面積で除した値で、値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。UA 値が高いだけで快適な家という訳ではありませんが、断熱性能の高さを確認する上での指針になります
ηAC値とは:冷房期の平均日射熱取得率のこと。
お客様が目にする事はあまり無い数値ですが、省エネ基準に規定されています。夏期に外皮(屋根・外壁・窓等)から室内に入る日射熱量を数値化したもので、数値が小さければ小さいほど冷房効率が良いということになります。
C値とは:家のスキマを表す数値
建物全体にある隙間面積(㎠)を延床面積(㎡)で割った数値で、建築した建物の気密性能の指標として用いられています。マルトが求めるC値1.0というのは床面積30坪の家で家中のスキマを合わせて約10センチ角という意味になります。C値は計算で求められるものではなく、実際の測定が必要となります。
滋賀県は南部の一部の地域を除き5地域となっており、UA値で0.87、ηA値で3.0以下にする事が求められています。
☆☆☆☆☆(最高ランク)を取得出来うる省エネ性能を全棟標準化。
2020年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
2021年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
2022年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
2023年度BELS(☆☆☆☆☆)取得実績100%
マルトでは「BELS工務店」として今後も全棟取得に取り組んでいきます
自然の力を利用する快適な暮らし
一方、自然の力による快適も大切です。冬の温かい太陽、春・秋の心地良い風、夏の木陰の涼しさ。自然の力がもたらしてくれる光と風の心地良さは説明するまでもなく皆様ご存知のはずです。そこが森の中にいるような無垢の木で囲まれた室内であれば、木のやわらかさ、手触り、香りからでる癒し成分が心身の疲れを癒してくれます。自然由来の物に囲まれた空間は五感に伝わる心地よさがあり、どれだけ数字や言葉を並べても説明しきれない「快適」があります。どんなに時代が変わっても、どんなに便利な世の中になってもこの快適は永遠に続くものだと考えています。
快適な暮らし=小さなコスト と考えます
快適な暮らしを得るためには、高い省エネ性能(高断熱高気密)を有することが必須です。次にそれに見合った設備機器の選定をするのですが、高い省エネ性能だと選定する機種も当然能力の小さい物で事足りますので、冬や夏に少ないエネルギーで家中を快適な温度で保つことが出来ます。また、自然の力を上手に利用する設計(パッシブデザイン)にする事も、快適で小さなコストで暮らす為には重要です。事実、マルトの建てる家ではエアコンで家中を暖めたり冷やしたりするのですが、年間で10万前後の光熱費に抑えることが出来ます。(暮らし方や家の大きさなどにより差はあります)
快適には夏も冬も過ごしやすい室温に保たれることや、自然の心地良さなど様々ありますが、どちらの快適もバランスよく設計していけば、”小さなコスト”で暮らしていく事が出来るのです。
ゼロエネルギーハウス(ZEH)への取り組み
ZEHとは「断熱・省エネ性能を上げることと高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」です。国は2050年に脱炭素社会を目指し、2030年に新築にはZEH水準の省エネ性能を確保することを目指し、2050年にはさらに省エネ基準が引き上げられます。
ZEHに限らずマルトでは現状に満足することなく学び続け、国や地方自治体からの情報収集も怠ることなく、日々進化していく家づくりをしています。
エネルギーを出来る限り使わない暮らしが可能な家づくりと共に、再生可能な無垢の木を使うことで生まれる環境保全への取り組みは、これからの子供たちの未来を守るための最優先事項と考え取り組んでいます。
新築戸建て住宅
- 2030年に向けてZEH普及目標
- 2020年度 実績40%
- 2021年度 実績50%
- 2022年度 実績17%
- 2023年度 実績58%
- 2025年度 目標75%
既存改修
- 2030年に向けてZEH普及目標
- 2020年度 実績0%
- 2021年度 実績0%
- 2022年度 実績0%
- 2023年度 実績0%
- 2025年度 目標55%
※ZEH、NearlyZEH含む受注棟数にしめる割合