玄関は家の顔なのに、外壁材や床材に比べて皆さんあまりイメージが湧かないのか、土間の仕上げで悩まれる方が多いように感じます。
また、洗い出しは和風とか、モルタル仕上げは安っぽいなど先入観にとらわれている方も多いように感じます。
この記事ではマルトの実例をもとに、あなたにぴったりの土間仕上げが見つかる、住宅で使う土間の仕上げの種類や注意点など紹介しながら書いてみたいと思います。
各画像の下の〇邸に、施工例へのリンクを貼りました。
どんな外観の家がどんな土間仕上げを採用したのか、参考にしてみてください
土間仕上げを選ぶ前に知っておきたい「基本の場所」と「役割」
では、注文住宅で土間仕上げと言われる部分はどこを指すのでしょうか。

住宅で土間仕上げの種類を選ぶのは、主に玄関、アプローチ、サービスヤードや勝手口、駐車場でしょう。
TOPの画像にあるようなリビングの一部を土間で仕上げるのも見かけますね。
場所によって「水に濡れやすい」「汚れやすい」「靴を脱ぎ履きする」など役割が大きく異なるため、適した素材も変わってきます。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
玄関|家の顔であり、こだわりたい場所
家族やゲストが毎日必ず通り、一番に目を留めるのが玄関土間です。
役割・特徴
靴の脱ぎ履きをする場所なので、「日常的な砂汚れが目立ちにくいこと」や、床(フローリング)とのデザイン的な相性」が重要になります。
玄関ドア外の外部に雨などが降りこみやすい場合は、濡れても滑りにくい安全性能が重要です。
アプローチ(屋外)|雨や雪でも「滑らない安全さ」が最優先
道路から玄関ポーチ、玄関ドアへと続く屋外の動線です。
役割・特徴
完全に雨ざらしになるため、最優先すべきは「濡れても滑りにくい安全性能」です。
ツルツルした素材を選んでしまうと、雨の日に転倒するリスクが高まり大変危険です。
勝手口・サービスヤード|「汚れにくさ」と「お掃除のしやすさ」
キッチンの奥やユーティリティから外へつながる、実用重視の出入り口です。
役割・特徴
ゴミ出しの袋を一時的に置いたり、泥のついた野菜を搬入したりと、家事の裏方として汚れやすい場所です。
そのため、デザイン性よりも「ホウキでサッと掃きやすく、水でゴシゴシ洗える手軽さ」が求められます。
駐車場(ガレージ)|「重さに耐える頑丈さ」と「タイヤ痕対策」
大切な車や自転車を停めるスペースです。
役割・特徴
何トンもある車の重量に耐えなければならないため、「高い強度(耐久性)」が必須です。
また、車のタイヤによる黒い擦れ跡(タイヤ痕)がつきやすいため、それが目立たない工夫や、割れを防ぐ「伸縮目地(スリット)」の計画がポイントになります。
車の台数によっては面積がとても大きくなるので、価格面も重要です。
土間リビング|暮らしを豊かにする「+α」の多目的空間
薪ストーブの設置や、インドアグリーン(観葉植物)を楽しむ空間として採用する方が増えています。
役割・特徴
リビングの一部でありながら、靴のまま、あるいはサンダル履きで外とシームレスに行き来できる空間です。
植物の水やりで床が濡れても気にならず、ペットの居場所としても活躍します。
それでは各素材ごとにどんな感じになるのか、どんな家に合うのか見ていきましょう。
徹底比較!土間仕上げの定番・こだわり素材5選
ここからは、実際に住宅で使われる代表的な5つの素材について、それぞれの魅力と「知っておくべき注意点」をマルトの施工実例を交えて解説します。
タイル|バリエーション無限大
タイルの最大の魅力は、柄、色、サイズなどの種類がとにかく豊富なことです。
北欧風、和モダン、スタイリッシュなど、お家のコンセプトに合わせた自由な足元を演出できます。
メリット
・品質や色ムラが少なく、仕上がりが安定している
・ 吸水率が低いため、汚れが染み込みにくくお掃除がラク
注意点(デメリット)
・色選びの罠: 白すぎるタイルは泥汚れが、黒すぎるタイルは乾いた砂汚れが逆に目立ちやすくなります(グレーやベージュ系が一番目立ちにくいです)。
・滑りやすさ: 雨の日のアプローチなど屋外に使う場合は、必ず「外床用」の滑りにくい(防滑性のある)タイルを選びましょう。


上の2枚の画像はどちらも300角(30センチ角)のタイルです。
テイストによって印象が全然違うのがお分かり頂けると思います。
サイズはマルトでは300角を選ぶことが多いのですが、600×300なども使えます。

下の画像はちょっと変わり種で、手前はモザイクタイルで奥のクローク部分と貼り分けています
こんな遊びが出来るのもタイルならではです。
注:このお家では内玄関がこのタイルで、外部には滑らない加工のある材料を使っています。

モルタル(コンクリート)|無垢の木と相性抜群。シンプル&無骨な美しさ
セメントに砂と水を混ぜて作るモルタルは、マットな質感と無機質なカッコよさで今とても人気があります。
実は、マルトが建てる「無垢の木をふんだんに使った家」と、このモルタルはデザイン的にとても相性が良いのです。
メリット
・目地(継ぎ目)が少ないため、空間がすっきりと広く見える
・どんなテイストのインテリアも引き締める高いデザイン性
注意点(デメリット)

・クラック(ひび割れ): モルタルやコンクリートは、乾燥収縮によってどうしてもひび割れが入ります。これを「欠陥」ではなく、「味わい・経年変化のカッコよさ」として認められることが必要です。
・従来のモルタルには防水性はあまりなく、水がつくと染みになる場合もあります。
—–知っておきたい「モルタル・コンクリート・セメント」の違い—–
簡単に言うと、セメントは材料(粉)です。これに「砂と水」を混ぜるとモルタルになり、さらに「砂利」まで混ぜて強度を高めたものがコンクリートになります。
この章のTOPの画像はコンクリートで仕上げた土間に、モルタルを塗ることで美しく仕上げています。
勝手口などはコンクリート仕上げで終えることもあります。
また、最近よく聞く「モールテックス」は、モルタルの弱点である「ひび割れ・水への弱さ」を克服した高機能な左官素材です。
仕上がった表面はセメントの質感を持ちながらも曲げ・たわみに対して非常に強くなります。



上の画像はリビングの半分をモルタル仕上げにしました。
縦横に溝が切ってある(目地)のが見えますね。
デザインであるのはもちろんですが、もう一つ理由があります。
クラックを途中で止めるため目地を入れています。
クラックも意匠のうち、くらいの気概が必要ですね。
とはいえ、どうしてもクラックは嫌だけど、モルタル仕上げの雰囲気が欲しいという方には、モールテックスを使います
下の画像はモールテックスをカウンターに塗った洗面台になります

下の画像はモルタルに墨で色を付けました。

洗い出し|和モダンから洋風まで。滑りにくい土間仕上げ
洗い出し(あらいだし)とは、モルタルが完全に固まる前に表面を水で洗い流し、中に混ぜておいた砂利や玉石などの「種石」を表面に浮き出させる工法です。
ビー玉やガラス片を埋め込んだものもあります。
職人の手仕事が生み出す、唯一無二の豊かな表情が魅力です。
メリット
• 石のポコポコとした凹凸があるため、雨の日でも非常に滑りにくい
• 和風のイメージが強いですが、実は洋風のドアやモダンな外観にも驚くほど馴染みます
注意点(デメリット):
• 石落ち: 年数が経つと、歩く頻度が高い場所などの石がポロポロと取れてしまうことがあります。



また、他素材との相性も良く、アプローチではピンころ石や切り石と組み合わせることも多いです

三和土(たたき)|古き良き日本の知恵。土の温もりと経年変化を楽しむ
古民家の土間などでよく見られる三和土(たたき)は、赤土・砂利・消石灰に「にがり」を混ぜて、何度も叩き固めて作る伝統的な仕上げです。
(3つの材料を混ぜ合わせることからこの漢字が使われます)。
メリット
• コンクリートにはない、土ならではの温かみと圧倒的な風合いがある
• 夏場でもひんやりとして心地よい
注意点(デメリット)
• ボコボコ感: 素材自体が柔らかいため、よく踏む場所は年数が経つと少しずつ削れて表面がボコボコしてきます。ただ、これも無垢の木と同じ「自然素材の美しい経年変化」。お家と一緒に年齢を重ねる楽しさがあります。
あまりなじみのない仕上げ方かもしれませんが、こちらも洗い出し同様に日本に古くからある土間仕上げのひとつです



石貼り|圧倒的な高級感
文字通り、天然の石を職人が一枚一枚床に貼っていく仕上げです。
本物の石だけが持つ圧倒的な重厚感と素材感は、お家の玄関まわりに最高級の風格をもたらしてくれます。
メリット
• 経年劣化がほとんどなく、時が経つほどにアンティークのような美しさが増す
• 傷や汚れに強く、耐久性が極めて高い
注意点(デメリット)
• タイルのように厚みが均一ではない天然石を美しく並べるには、高度な左官技術が必要です。
そのため、材料費だけでなく「施工費(人件費)」も高めになります。




あなたにぴったりの土間仕上げはどれ?
ここまで5つの素材の特徴を見てきましたが、「結局、我が家にはどれが一番合うの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、それぞれの素材の特性をまとめた「一目でわかる比較表」を用意しました。
・タイル
洋風のインテリアがお好きな方には特にお手軽に取り入れられる土間仕上げです。
| デザインの傾向 | テイストもサイズも種類が多い |
| 掃除のしやすさ | 〇 汚れがしみこみにくい |
| 滑りにくさ(安全性) | 外部には外部用を選ぶ |
| 経年変化 | 変化は少ないが割れる場合もある |
| 価格(施工費含む) | 低価格から高価格まで |
・モルタル
無垢の素材の組み合わせでも、無機質なモダンさを求める方に向いていそうです。
| デザインの傾向 | シンプルで無機質 バリエーションはほぼない |
| 掃除のしやすさ | △ シミになる場合がある |
| 滑りにくさ(安全性) | 刷毛引きなどで溝を付ける |
| 経年変化 | クラックが入る |
| 価格(施工費含む) | 比較的リーズナブル |
・洗い出し
タイルなどの既製品とは違う、ナチュラルな仕上げにしたい方に向いていそうです。
| デザインの傾向 | 和からナチュラル 埋める材料によって印象が変わる |
| 掃除のしやすさ | △ 凹凸があり砂が溜まる、石が取れる |
| 滑りにくさ(安全性) | 滑りにくい |
| 経年変化 | 変化は少ないが馴染んだ様子になる |
| 価格(施工費含む) | 中価格帯 |
・三和土
日本の伝統的な、本物の土間仕上げにこだわりたい方におススメです。
| デザインの傾向 | 伝統的な和風 土の温かみ |
| 掃除のしやすさ | △ ほこりが出やすい |
| 滑りにくさ(安全性) | 滑りにくい |
| 経年変化 | 割れや凹凸が生じてくる |
| 価格(施工費含む) | やや高め(施工出来るところが少ない) |
・石貼り
自然素材を使いかつ、高級感を求める方に向いています。
| デザインの傾向 | 和から洋まで 高級感 |
| 掃除のしやすさ | 〇 |
| 滑りにくさ(安全性) | 石の種類による |
| 経年変化 | 変化は少ない |
| 価格(施工費含む) | 高め |
建築会社との打ち合わせをスムーズに行うコツ
早い段階で希望の仕上げを伝える
ハウスメーカーなどでは、玄関などの仕上げはタイルと決まっているところも少なくありません。
違う仕上げが希望の場合はもちろん、タイルであったとしてもデザインやサイズが様々です。
後から変更すると、予算の追加や構造上の調整(床の高さの調整など)が必要になる場合があるため、早めの共有が一番の安心に繋がります。
早い段階で希望を伝えることをおススメします。
画像を使って「視覚的」にイメージを共有する
Instagram(インスタグラム)やPinterest(ピンタレスト)を活用しましょう。
「この実例の、このマットな質感が好き」
「この石の大きさが理想」
といったお気に入りのスクリーンショットを打ち合わせに持参し、担当者に見せるのが理想の土間を叶える一番の早道です。
また、建築会社の施工例を見せてもらうのも有効です。
マルトでも施工例から選ばれる方が多くいらっしゃいます。
家全体のコンセプトに合わせたトータルコーディネート
玄関土間は、家に帰ってきたときに一番に家族を迎え、ゲストが最初に出会う「お家の顔」です。
だからこそ、ただの通路として考えるのではなく、リビングの無垢の床との繋がりや、家全体のデザインコンセプトに合わせてトータルでコーディネートしましょう。
マルトでは国産の無垢の木や自然素材をふんだんに使った「世代を超えて永く暮らせる家」をご提案しています。
素材の組み合わせに迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください。お客様のライフスタイルにぴったりな土間仕上げを、一緒になって形にしていきます。
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